2013年01月29日
一月の芸妓衣装(小ふく)
寒さが一段と見にしみるころとなりました。
小ふくさんの一月の芸妓衣装はすっきりとした印象の装いどす。
波文に藤や梅などが描かれた二つ綿の着物、竹が立涌文として縫い取られた織帯が落ち着いた芸妓さんの上品さをかもしだしています。
カツラには今年の干支である巳さんの干支差しをさせてもうてます。
波文と流水文の区別ははっきりとするものではおへんのどすが、ともに古くから意匠化され親しまれてきました。
線描でシンプルに表す事もあれば面や立体的に描く場合もあり、自然の波のように多様に表現されます。
真っすぐに伸び冬でも青々とした竹は高潔な植物とされ人々に愛好されてきた文様どすが、その竹を立涌文に見立てたおもしろい意匠の帯どす。
立涌文は水蒸気が沸き立つ様を表して運気が盛んで上昇するという意味をもつとされ、代表的な有職文のひとつとされます。
金糸で織り込まれた竹が立涌文となっていることで、豪華でおめでたいこの時期にぴったりの帯どすね。
朝夕は冷え込みは厳しいものとなっておりますのでいっそうのご自愛をお祈りいたします。