2013年01月30日
一月の芸妓衣装(ふく紘)
冷え冷えとした大気に星も凍てつくような寒夜が続いています、みなさまお元気でお過ごしでしょうか。
ふく紘さんの一月の芸妓衣装はあざやかなブルーが印象的な艶めいた装いどす。
雪持ち椿が描かれた二つ綿の着物に、大きな蝶文があしらわれた織帯が凛々しさと優美さをかもしだしています。
雪持ち文は植物などの上に雪が降り積もった様を文様化したもので、椿の他に柳や梅などにも描かれることが多おす。
雪の重みに耐える枝葉がやがて雪を跳ね返す生命力と、春を待つ日本人の心情が伝わる美しい文様どすね。
蝶は虫類の文様が少ない着物の中でその形の美しさから様々に文様化され愛好されてきました。
その中でも揚羽蝶は有職文の一つとされ、再生や不死不滅の象徴として武将や武士の紋章として好まれ特に平家ゆかりの家々の家紋としても知られています。
雪の舞うこのごろどすが、お足元には充分お気を付けくださいませ。
2013年01月29日
一月の芸妓衣装(小ふく)
寒さが一段と見にしみるころとなりました。
小ふくさんの一月の芸妓衣装はすっきりとした印象の装いどす。
波文に藤や梅などが描かれた二つ綿の着物、竹が立涌文として縫い取られた織帯が落ち着いた芸妓さんの上品さをかもしだしています。
カツラには今年の干支である巳さんの干支差しをさせてもうてます。
波文と流水文の区別ははっきりとするものではおへんのどすが、ともに古くから意匠化され親しまれてきました。
線描でシンプルに表す事もあれば面や立体的に描く場合もあり、自然の波のように多様に表現されます。
真っすぐに伸び冬でも青々とした竹は高潔な植物とされ人々に愛好されてきた文様どすが、その竹を立涌文に見立てたおもしろい意匠の帯どす。
立涌文は水蒸気が沸き立つ様を表して運気が盛んで上昇するという意味をもつとされ、代表的な有職文のひとつとされます。
金糸で織り込まれた竹が立涌文となっていることで、豪華でおめでたいこの時期にぴったりの帯どすね。
朝夕は冷え込みは厳しいものとなっておりますのでいっそうのご自愛をお祈りいたします。
2013年01月27日
一月の舞妓衣装(小よし)
朝、お布団のぬくもりから抜け出すのがつらい季節どすね。
小よしさんの一月の舞妓衣装は新春らしい初々しい印象の装いどす。
松竹梅のかんざしに大降りの草花があでやかに咲き誇る二つ綿の着物、鶸色に金糸で縫い取られた桐文がでたての舞妓さんのおぼこさをひきたてています。
松竹梅は格の高い吉祥文どすが、三つを組み合わせるようになったのは室町時代からだそうどす。
中国では松の常磐の齢、竹の清廉さ、梅の清香にして文雅と称されることから「歳寒の三友」と呼ばれ、長寿、高潔、節操、清廉などの象徴とされました。
桐の木は鳳凰が天から舞い降りて止まる木といわれたことから高貴なものとされ、また実が落ちずに次の花の蕾をつけるため因果応報の徴として神聖視され尊ばれてきました。
鳳凰と描かれる事が多い桐文どすが、単体でもおめでたい柄として用いられます。
極寒の折からくれぐれもご自愛くださいませ。
Posted by しげ森
at 12:00
2013年01月26日
一月の舞妓衣装(ふく兆)
寒さが一段とつのってまいりましたが、みなさまお元気でしょうか。
ふく兆さんの一月の舞妓衣装は白から青へのグラデーションが印象的な生き生きとした装いどす。
稲穂と松竹梅のかんざしに中啓(ちゅうけい)に様々な花があしらわれた二つ綿の着物、大胆に描かれた竹の織帯が早春の舞妓さんの清々しさをかもしだしています。
稲穂は松の内の十五日までさすお正月のものどす。
松竹梅は代表的な吉祥文様で、四季を通してよく用いられます。
中国の「歳寒の三友(さいかんのさんゆう)」が日本に入ったものと言われますが、中国ではおめでたいものの象徴といった意味はないそうどす。
中啓は扇の一種で親骨が中頃から外に反っており、たたんでも半ば広がっているのが特徴どす。
公家や武家において儀礼の具として用いられ、さらに能や歌舞伎などに使われるようになりました。
竹は真っすぐで固く、中は空洞で隠す事無く、冬でも青々としていることから清和の象徴として好まれてきました。
竹が折れると「神様の足跡」として神事に用いられたという話もあり、そう考えると竹から生まれたかぐや姫の物語はよりいっそう神秘的でおもしろおすね。
立春は目の前とはいえまだまだ寒さ身にしみるこのごろ、お風邪などには充分お気を付けくださいませ。
Posted by しげ森
at 12:00
2013年01月25日
一月の舞妓衣装(ふく苗)
いよいよ本格的な寒さになってまいりました。
ふく苗さんの一月の舞妓衣装は鮮やかなピンクに黒い帯が印象的な華やかな装いどす。
稲穂と松竹梅のかんざしに様々な文様の扇が描かれた二つ綿の着物、若松に観世流水文の織帯が若々しい舞妓さんのあでやかさをかもしだしています。
稲穂は松の内の十五日まで差すお正月のものどす。
松竹梅は吉祥のシンボルとして馴染み深いものどすが、松から格の高いものとされるのはおめでたいものに加わった順番からきているそうどす。
扇は末広がりの形が発展、繁栄の吉祥として多く用いられ、その形の面白さから様々に意匠されています。
地紙に色とりどりの花文様を付け一面に散らすことで、舞妓さんらしい可憐な衣装となっていますね。
若松文は芽生えて間もない若い松を文様化したもので、新鮮な若々しさが特徴どす。
新春をはじめ、慶事にとても相応しい文様として古来より愛好されています。
今年もみなさまにご幸多ありますよう、お祈り申し上げます。
Posted by しげ森
at 21:03
2013年01月25日
城崎に行ってきました。
ふく紘さん、ふく苗さん、ふく兆さん、小よしさん、しげ森母が城崎温泉に連れて行ってもらいました。
城崎温泉は開湯1400年の歴史を誇る温泉地で、年間100万人以上の観光客が訪れる有名な温泉地どす。
志賀直哉の「城の崎にて」でおなじみどすね。
城崎温泉には『外湯(そとゆ)』と呼ばれる公衆浴場が7つあり、着いてすぐにそのうちの一つ「御所の湯」に入りにいきました。
ふく苗さん(左) ふく兆さん(中央) 小よしさん(右)
外湯めぐりは城崎温泉の名物で浴衣に下駄が正装だそうどす。
外は雨が降り出して冷え込んできていましたが、舞妓さん達は初めての体験におおはしゃぎどした。
待ちに待った夕食は城崎で二軒しかないお寿司屋さんの一つ「をり鶴」さんに連れていってもらいました。
ふく紘さん
をり鶴さんのお父さん
降り出した雨はいつの間にか雪に変わりとても風情のある中、豪華なカニ尽くしとお寿司のお料理をいただきました。
立派なカニ!!
しげ森母 カニ堪能中
カニミソがたっぷり入った雑炊
小よしさん
お腹がいっぱいなのにまだ食べたいと思うくらいすべてのお料理がとっても美味しく、豪華で幸せな時間を過ごさせていただきました。
ほんまにおおきに。
一晩で積もった雪もとてもきれいで感動的どした。
おまけ ゆるキャラ(?)松葉ガニのサキちゃんとふく兆さん
2013年01月11日
始業式
平成二十五年一月七日宮川町歌舞練場にて始業式が行われ、売り上げ優秀な芸妓さんとしてふく紘さん・小ふくさんが表彰されました。
表彰式では売り上げ優秀な芸舞妓さんが壇上に呼ばれ、表彰状をいただきました。
ふく紘さん。
小ふくさん。
始業式の後、今年の技芸初めが行われ、小ふくさんが立方として出演させてもらいました。
小ふくさん(右端)
曲名は「立(りつ)」どす。
みなさまのおかげを持ちまして、今年もふく紘、小ふくが表彰させていただきました。
ほんまにおおきに。
これからも慢心する事無く精進して参りますので、どうぞ相変わりませずおたのもうします。
2013年01月07日
新年のごあいさつ
新年あけましておめでとうさんどす。
今年も皆様のおかげで無事に新しい年を迎えることができました。
新年は五日から仕事初めさせてもうてます。
芸舞妓さんたちは五日から七日まで黒紋付の正装でご挨拶をさせてもらいます。
ふく紘さん
小ふくさん
ふく苗さん
ふく兆さん
小よしさん
今年もみんな仲良く、病気や怪我の無いように一生懸命きばらせてもらいますので、どうぞみなさま相変わりませずおたのもうします。