2013年08月16日
八月の芸妓衣装(小ふく)
立秋とは名ばかりの厳しい暑さが続いておりますが、お変わりございませんか。
小ふくさんの八月の芸妓衣装は秋の風情をかもしだした柔らかな印象の装いどす。
流水に地紙文が浮かんでいる様な意匠の着物に菊尽くし文の帯が、若い芸妓さんのあでやかさを惹き立てています。
地紙文は扇文の骨の部分を除いたもので、その独特の形から様々に意匠化されます。
紙だけの美しい形は、古くから文様として能装束や小袖に使われてきました。
現代も地紙の中に草花や文様を入れたり、扇形の画面を作って地の文様から区別したものなどが優雅な染織品によく使われています。
菊は秋を代表する植物で、昔からいろいろな装飾品に使われてきました。
奈良時代に薬草として中国から伝わった菊は時代を経て観賞用となり、江戸時代には鉢作りを競う程に品種改良が進んで多種多様な菊が見られるようになります。
それを反映して菊文の意匠にも様々な表現が現れ、多彩で華やかなところから友禅染の模様や小紋柄、地紋などにも用いられるようになりました。
これからも残暑が続くそうどす、熱中症などにはお気をつけくださいませ。