2013年12月12日
十二月の舞妓衣装(ふく苗)
街中がクリスマスのイルミネーションに彩られて心がうきうきしますね。
ふく苗さんの十二月の舞妓衣装はこの時期にぴったりの明るくて華やかな装いどす。
かわいらしいまねきのかんざしに総絞りの二つ綿の着物、若松に観世流水文の織帯が舞妓さんの少女らしさをかもしだしています。
まねきとは毎年十二月に京都南座で行われます吉例顔見世興行で劇場正面に掲げられる出演俳優の名前が書かれた看板のことで、京都の師走の風物詩どす。
舞妓さんのかんざしにも小さなまねきがついており、出演している役者さんに実際に名前を書いてもらいます。
今回は四代目市川猿之助さん、九代目市川中車さんの襲名披露どすのでお二人に書いていただきました。
絞りとは染色技法の1つで生地全面を均一に染めるのではなく、部分的に染め残しを作る技法どす。
染め残す部分をつまみ、糸でくくったり、針で縫ったり、強く圧迫したりして染料液の中に浸して染めます。
染め上がってから糸をほどくと、その部分が模様として表れます。
とても手間のかかる技法どすが絞りで作られた着物は豪華で華やかなため、成人式の振袖などにもよく使われています。
観世流水文は水文様の代表的なもので、能楽の家元観世太夫が定式文様として使用したところから名づけられた文様どす。
色留袖や袋帯などの礼装に用いられたり、白生地の地紋に使われる等格調高い文様どす。
心せわしい年の暮れを迎え何かとご多用とは存じますが、お体にお気を付けてお過ごしくださいませ。
Posted by しげ森
at 20:45