2014年02月26日
二月の舞妓衣装(ふく兆)
寒さの中にもようやく春の気配が感じられる季節となりました。
ふく兆さんの二月の舞妓衣装は可憐で春めいた印象の装いどす。
梅のかんざしに雪花文の二つ綿の着物、鶸色に金糸で縫い取られた桐文の織帯が可愛らしさの中に少女の色香を感じさせます。
梅は別名「春告草」「好文木」などと呼ばれる日本人に昔から愛される花どす。
万葉集には梅に関する歌が百首以上詠まれており、植物の中では萩についで多いそうどす。
万葉の頃には白梅が好まれていましたが、平安時代になると紅梅が愛好されるようになりました。
雪花文は江戸時代後期に現れた文で、雪の結晶を文様化したものどす。
繊細な雪の結晶が花のように意匠化された、華やかで趣のある文様どすね。
桐の木は鳳凰が天から舞い降りて止まる木といわれたことから高貴なものとされ、また実が落ちずに次の花の蕾をつけるため因果応報の徴として神聖視され尊ばれてきました。
鳳凰と描かれる事が多い桐文どすが、単体でもおめでたい柄として用いられます。
時節柄、なにとぞご自愛くださいませ。
Posted by しげ森
at 19:56