2012年08月23日
八月の芸妓衣装(ふく紘)
今日23日は二十四節気では暑さが収まる頃とされる処暑どすが、なかなか暦通りにはいかないものどすね。
ふく紘さんの八月の芸妓衣裳は残暑のきびしいこの時期に秋の始まりを予感させる趣のある装いどす。
秋草文様に横笛を配した呂の着物、様々な図柄が描かれた扇を散らした夏の織帯が落ち着いた芸妓さんの楚々とした雰囲気をかもしだしています。
秋草文は小ぶりで清楚な花が多く、一つ一つを単独で用いるより数種が組み合わされて使われることが多おす。
江戸時代に能装束や小袖に取り上げられるようになり、今では涼しい秋を待ち望んで夏の呂の着物や帯に好んで描かれるようになりました。
涼しげな秋草文に横笛が添えられているところに風情が感じられ、笛が上手なふく紘さんにぴったりの衣裳どすね。
扇文はたびたび登場する文様どすが末が広がる縁起の良さが好まれているだけではなく、三つの扇を要で重ねて円にしたり、半分だけ開いたり、閉じてしまった状態など形自体が風流でおもしろく豊富なバリエーションで使われてきました。
扇にはいろいろなものがあり、平安時代前期には檜(ひのき)の薄皮を糸でつないで作られた檜扇(ひおうぎ)が現れ、後期になると蝙蝠(かわほり)と呼ばれる紙を使った扇が登場しました。
あおいで涼を取るという実用的な目的だけではなく、儀礼用としても扇は重要な役目を持ち、現代でも舞扇やお茶席用の扇子など様々な用途で使われています。
まだまだ暑さも厳しいようです、みなさまお気をつけくださいませ。
Posted by しげ森
at 21:29
│ふく紘