2012年11月11日
十一月の舞妓衣装(ふく苗)
日毎に寒気加わる時節となりましたが、みなさまお元気でしょうか。
ふく苗さんの十一月の舞妓衣装はやわらかい黄色と鮮やかな鶸(ひわ)色が印象的なすっきりとした装いどす。
秋の山を思わせる色づいた紅葉のかんざしに流水ぼかしが入った中に様々な花が散らされた一つ綿の着物、花菱つなぎに唐花蜀江文様の織帯が可愛らしさの中に凛とした雰囲気をかもしだします。
紅葉は樹木が落葉の前に葉の色が変わることをいいますが、日本人は平安時代から紅葉を鑑賞する風習があったそうどす。
京都にもたくさんの名所があり、この宮川町があります東山も清水寺や南禅寺、東福寺などが有名どす。
ぼかしとは着物の染めの手法の一つで、平安時代に生まれた古典的な染め方どす。
絵模様のようにはっきりとせず、やさしくやわらかな印象を持つぼかしは着物に華やかさをもたらしてくれます。
ぼかし方にも様々あり、柄のある着物の裾だけをぼかした「裾ぼかし」、縦方向の「縦ぼかし」、図柄の周りを薄くする「まきぼかし」など多用に表現されます。
唐花蜀江文は八角形と四角形を交互に組んで上下左右に繋げて展開させた蜀江文様の中に唐花を配したもので、中国三国時代の蜀で作られていた蜀江錦という絹織物からその名がつきました。
たくさんの花ばなが散らされた優しげな着物に豪華な鶸色の帯がふく苗さんの楚々とした雰囲気をひきたてていますね。
寒さが日一日と増して参ります、お風邪など召されませぬよう御身おいといくださいませ。
Posted by しげ森
at 12:00