十月の舞妓衣装(小ふく)

しげ森

2012年10月16日 12:00










めっきり秋めいてまいりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

小ふくさんの十月の舞妓衣装は深まりゆく秋を感じさせる落ち着いた印象の装いどす。

大振りの菊のかんざしに御所車文の袷の着物、花菱亀甲に向い鶴の染帯が上品な女性らしさをひきだしています。

菊は平安時代より薬草や観賞用として用いられ、古今集にもよく詠まれている秋を代表する花どす。

鎌倉時代の初め、後鳥羽上皇が菊の花の意匠を好み「菊紋」を天皇家の家紋としたことから、日本を象徴する花として用いられるようになりました。

御所車文は平安時代に貴族たちが外出時に用いた牛車を文様化したもので、雅な王朝文化への憧れを表現したものとして人々に好まれてきました。

通常牛や人は一緒に描かれず、草花や王朝趣味の器物を並べて表されることが多おす。

花菱亀甲は六角形の亀の甲羅のような形に四弁の唐花を入れた文様で、長寿の象徴として愛好されてきました。

鶴文も長寿瑞祥のシンボルとされその優美な姿から人気が高おす。

鶴は千年、亀は万年という言葉があるように鶴と亀は共に描かれることが多く、吉祥文として婚礼衣装やふとんなどにも使われるおめでたい文様どす。

味覚の秋、行楽の秋ですね、お楽しみくださいませ。


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