十月の芸妓衣装(ふく紘)
秋の夜長、虫の音が心地よい季節となりましたが、みなさまお元気どすか。
ふく紘さんの十月の芸妓衣装は濃い紫が印象的なしっとりとした装いどす。
柴垣に様々な草花が散らされた袷の着物に、雲に覆われた五条橋が描かれた染帯が芸妓さんの雅さをかもしだしています。
柴垣は山野に自生する芝を刈って編んだもので目隠しや結界として用いられてきました。
形や大きさも様々に作られる柴垣は日本庭園に風情を添えるものとしてよく使われます。
文様としては植物や建物と組み合わされて一つの物語のような風景を描き出す役割を果たすことが多おす。
雲取り文は雲の輪郭の中に様々な文様を詰めて表したもののことで、雲文自体をこう呼ぶこともあります。
場を区切る方法としてよく使われ、様々な着物や帯に見られます。
大きく直線的な橋に柔らかな曲線の雲がかかる事で女性らしい優しい印象の帯となっていますね。
これからの季節、冷え込みが厳しくなりますのでお身体に気をつけておくれやす。
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