十一月の芸妓衣装(小ふく)

しげ森

2013年11月09日 18:45








秋のあわれを思わせる今日この頃、みなさまいかがお過ごしどすか。

小ふくさんの十一月の芸妓衣装は雅な趣を感じさせる装いどす。

源氏香文の袷の着物に、松皮菱の内に織り込まれた丸文の織帯がしっとりとした落ち着きをかもしだしています。

源氏香文は平安時代の貴族が好んだ香合わせという遊びで香の名を当てる時に使う符号を文様化したもので、5本の棒線を組み合わせてあらわされます。

52種類あることから源氏物語54帖の最初の「桐壺」と最後の「夢の浮き橋」を除いた巻名が付けられ、そのために源氏香と呼ばれるようになったそうどす。

松皮菱は菱の変形の一つで松の木の表皮に似ていることからこの名がつきました。

平安後期から使われるようになり、この帯のように菱の中に別の文様などを入れて松皮菱を模様取りとして用いるようになったのは桃山時代からだそうどす。

現在でも古典的な趣を出す意匠として多くの人に愛好されています。

いよいよ冬が近付いてまいりました、ご自愛下さいませ。

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