2013年01月30日
一月の芸妓衣装(ふく紘)
冷え冷えとした大気に星も凍てつくような寒夜が続いています、みなさまお元気でお過ごしでしょうか。
ふく紘さんの一月の芸妓衣装はあざやかなブルーが印象的な艶めいた装いどす。
雪持ち椿が描かれた二つ綿の着物に、大きな蝶文があしらわれた織帯が凛々しさと優美さをかもしだしています。
雪持ち文は植物などの上に雪が降り積もった様を文様化したもので、椿の他に柳や梅などにも描かれることが多おす。
雪の重みに耐える枝葉がやがて雪を跳ね返す生命力と、春を待つ日本人の心情が伝わる美しい文様どすね。
蝶は虫類の文様が少ない着物の中でその形の美しさから様々に文様化され愛好されてきました。
その中でも揚羽蝶は有職文の一つとされ、再生や不死不滅の象徴として武将や武士の紋章として好まれ特に平家ゆかりの家々の家紋としても知られています。
雪の舞うこのごろどすが、お足元には充分お気を付けくださいませ。
2012年11月09日
十一月の芸妓衣装(ふく紘)
遠くの山々も澄みきった青空に映える季節となりました。
ふく紘さんの十一月の芸妓衣装は柔らかな藤色が印象的な落ち着いた装いどす。
流水に短冊や色紙が流れる一つ綿の着物に、重ねられた色紙の中に菊や七宝花菱が描かれた織帯が上品な芸妓さんの優美さをひきたてています。
短冊や色紙は和歌や俳句、絵などを描いてそれだけで完結したものどすが、地紙と同じように「色紙取り」文様としてよく用いられます。
色紙の中に描かれた絵柄によって様々な印象の文様を作り出すことができ、画中画のような面白い意匠が多く見られます。
方形の色紙を数多く組み合わせて画面に散らしたものは「色紙散らし」と呼ばれ、その中に菊や七宝花菱など吉祥文が織り込まれて華やかな帯となっていますね。
ふく紘さんは今月十一月で芸妓さんになって一年となりました。
その間に二人の妹(ふく苗、ふく兆)ができ、芸妓さんとしての責任とやりがいを感じながらお稽古にお座敷にと日々気張ったはります。
本格的な寒さに向かう深秋のころ、体調をくずされぬようご自愛くださいませ。
2012年10月17日
十月の芸妓衣装(ふく紘)
雲ひとつなく晴れ上がってももう炎天はなく、何をするにも絶好の季節となりました。
ふく紘さんの十月の芸妓衣装は秋の風情を感じさせるしっとりとした装いどす。
扇面に様々な花が描かれた袷の着物に菊の花に竹が組合わさった染帯が女性らしさの中に風格を漂わせています。
今月は衣替えどすので小物類もすべて冬物に変わりました。
扇はその形から末広と呼ばれ、繁栄や開運を表すものとして人々に好まれてきました。
また「あふぐ」はあおり立てて囃すことで神霊の力を呼び起こして奮い起たせる呪具とされたことから、神を奉賛して舞う神楽や能楽、田楽などの芸能にかかせないものどした。
形や種類も豊富なことからバリエーションにとんだ意匠がみられます。
菊花の文様は吉祥文とされ、枝についた花を折枝菊と呼びます。
昔から日本人に好まれた花どすが今のように菊が暗い印象をもつようになったのは最近のことで、昭和三十年代にヨーロッパの影響を受けて黄と白の菊が葬送の花とされたことからだそうどす。
竹は真っ直ぐに伸び冬でも青々としていることから高潔な植物として吉祥文の一つとされました。
中国では梅、菊、蘭とともに「四君子」とされ、日本でもおめでたい文様として多く用いられています。
写実的に描かれた菊花に竹が十字に配されていて大胆で粋な帯になっていますね。
日毎に秋冷の加わるころ、お風邪など召されぬようにお気をつけくださいませ。
2012年09月15日
九月の芸妓衣装(ふく紘)
空もようやく秋色をおびてまいりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
九月のふく紘さんの芸妓衣装は藤色の中に流れる楓が描かれたやわらかな印象の装いどす。
流水文に楓が流れる単衣の着物に、扇面文が大きく描かれた呂の染帯が落ち着いた中に優しげな趣を感じさせます。
楓は蛙の手のように切れ込みが入った独特の形をしていることから「かえる手」が変じて「かえで」と呼ばれるようになったと言われています。
流水と組み合わされることも多く、秋を代表する植物どすね。
扇面文はよく使われる文様どすが、同じ形の扇を一面に散らした「扇散らし」、開いたもの閉じたもの様々を散らした「扇尽くし」、流水と組み合わせた「扇流し」など様々な形があります。
この帯は開いた扇を散らしてそれぞれの地紙の意匠を見所としており、朱色の扇には表情豊かな波文が、白い扇には花菱七宝文様が華麗に描かれています。
季節の変わり目です、お風邪など召されませんようお気をつけくださいませ。
2012年08月23日
八月の芸妓衣装(ふく紘)
今日23日は二十四節気では暑さが収まる頃とされる処暑どすが、なかなか暦通りにはいかないものどすね。
ふく紘さんの八月の芸妓衣裳は残暑のきびしいこの時期に秋の始まりを予感させる趣のある装いどす。
秋草文様に横笛を配した呂の着物、様々な図柄が描かれた扇を散らした夏の織帯が落ち着いた芸妓さんの楚々とした雰囲気をかもしだしています。
秋草文は小ぶりで清楚な花が多く、一つ一つを単独で用いるより数種が組み合わされて使われることが多おす。
江戸時代に能装束や小袖に取り上げられるようになり、今では涼しい秋を待ち望んで夏の呂の着物や帯に好んで描かれるようになりました。
涼しげな秋草文に横笛が添えられているところに風情が感じられ、笛が上手なふく紘さんにぴったりの衣裳どすね。
扇文はたびたび登場する文様どすが末が広がる縁起の良さが好まれているだけではなく、三つの扇を要で重ねて円にしたり、半分だけ開いたり、閉じてしまった状態など形自体が風流でおもしろく豊富なバリエーションで使われてきました。
扇にはいろいろなものがあり、平安時代前期には檜(ひのき)の薄皮を糸でつないで作られた檜扇(ひおうぎ)が現れ、後期になると蝙蝠(かわほり)と呼ばれる紙を使った扇が登場しました。
あおいで涼を取るという実用的な目的だけではなく、儀礼用としても扇は重要な役目を持ち、現代でも舞扇やお茶席用の扇子など様々な用途で使われています。
まだまだ暑さも厳しいようです、みなさまお気をつけくださいませ。
2012年07月20日
七月の芸妓衣装(ふく紘)
夏の盛りに木陰の恋しい季節となりました。
ふく紘さんの七月の芸妓衣裳は白から藤色へのグラデーションが印象的な優しげな装いどす。
薄(すすき)の間を揚羽蝶が舞う呂の着物に、葦の水辺に帆掛け舟が浮かぶ夏の織り帯が涼やかさを演出しています。
薄は芒とも記し、古い呼び名では尾花とも言われます。
薄の種子は風にのって遠くまで飛ぶことから子孫繁栄の吉祥文とされ、古くから愛用されてきました。
昔から薄の穂のように先がささくれだっているものには神が依ると言われ、同じ稲科の萱(かや)類が真草(まぐさ)と呼ばれるのも神を招(まぐ)く草という意味からきているそうどす。
そのことからさ迷える魂を天上に舞って届けると言われる蝶が薄とともに文様として描かれることが多おす。
揚羽蝶文は緑黄地に黒い筋や斑文のある大型の華麗な蝶を文様化したもので、鳳蝶(ほうちょう)とも呼ばれます。
鎌倉時代には羽を立てて止まる揚羽蝶が凛々しさを感じさせることから武士に好まれ、武具の装飾として使われるようになりました。
薄の間を一羽の揚羽蝶がひっそりと舞う様子がなんとなくもの悲しく情緒深おすね。
海に囲まれ川が多い日本では舟は重要な交通手段であり、また日々の生活に欠かせないものでした。
そのため帆掛け舟や宝船、南蛮船など様々な舟が文様として表されています。
黒地に金糸で描がれた舟が涼しげで夏の暑さを忘れさせてくれるようどすね。
本格的な夏を迎えました、みなさまのご健康をお祈りいたしております。
2012年06月15日
六月の芸妓衣装(ふく紘)
本格的な夏を前に木々の緑が色濃くなってまいりました。
ふく紘さんの六月の芸妓衣装は柔らかな藤色が初夏を感じさせる上品な装いどす。
流水文に青もみじが散らされた単衣の着物と、扇面文が大きく描かれた呂の染帯が芸妓さんらしい優美さをかもしだしています。
今月から衣替えどすので小物類もすべて夏物どす。
かつらに挿す櫛も涼しげなものに変わりました。
水をモチーフにした文様は古くから見られ、その中でも流水文には最も古いと云われている文様どす。
楓は春の桜と並んで日本人の季節感を代表する樹木で、葉の色や形の面白さから桃山時代以降数多く使われてきました。
秋の紅葉だけではなく、赤く色づく前の清々しい新緑の葉が使われることも多く、流水と合わせることでこの時期にふさわしい爽やかさが表現されています。
扇面文は扇文、末広文とも呼ばれ、末に広がるその姿から縁起の良い吉兆の文様とされています。
今回ふく紘さんが締めている染帯は、しげ森のお姉さん(元芸妓・ふく笑さん)が自前の芸妓さん(家を出て一人前になった芸妓さんのことをこう呼びます)になったときに初めてあつらえた思い出深い帯どす。
大事な帯を貸していただいたふく紘さんは大切に締めながらお座敷をきばったはります。
梅雨冷えの肌寒い日もございますので、皆さま体調などくずされないようにお気をつけくださいませ。
2012年05月20日
五月の芸妓衣装(ふく紘)
新茶の美味しい季節となりました。
ふく紘さんの五月の芸妓衣裳は五月の風を感じさせる柔らかな印象の装いどす。
流水文に四季草花文様の着物、扇流しの帯がふく紘さんの優しい雰囲気を引き出しています。
流水文は水の流れる様子を文様化したもので、古くは弥生時代の土器や銅鐸に見られ、長く人びとに愛用されている文様どす。
風景や草花などを組み合わせて描かれることが多く、流水に四季の草花を添えて生命の息吹を感じさせ、扇面を流して末広の幸を願うなど多様に表現されます。
淡い若葉色のお着物に深紫の帯がすっきりと清々しく、若い芸妓さんらしい晴れやかな装いどすね。
これから暑い季節が参ります。
皆様どうぞお体ご自愛くださいませ。
2012年04月23日
四月の芸妓衣装(ふく紘)
春たけなわの候となりました
ふく紘さんの四月の芸妓衣装は、後ろ姿が印象的な清々しい装いどす。
青海波文の着物・五條橋が描かれた塩瀬の染帯が明るさを醸し出しています。
ふく紘さんは芸妓さんなので頭はかつらどす。
青海波は青海水とも呼ばれる半円を重ねた文様で、江戸中期には広く使われるようになりました。
青海波の起源は舞楽の青海波の装束の文様と言われています。
五條橋が描かれた染帯との組み合わせが粋どすね。
季節の変わり目ですので、皆様風邪などお召しになられませんよう御自愛下さい。
2012年03月07日
三月の芸妓衣装(ふく紘)
春寒ようやくぬるみ始めたこのごろ、皆様お元気でお過ごしでしょうか。
ふく紘さんの三月の芸妓衣装はオレンジ色が印象的なすっきりとした装いどす。
竹文の着物、金糸をふんだんにつかった花唐草文の帯が、凛とした雰囲気を醸し出しています。
ふく紘さんは芸妓さんなので頭はかつらどす。
竹文は皆様よくご存知の竹をデザインした文様どす。
竹を用いた文様といえば松竹梅の吉祥文が有名どすが、竹は常に緑をたたえ、中は空で隠すことなく、空に向かってまっすぐに伸びることから、清和の象徴として竹単体でデザインされることも多おす。
花唐草文は特定の花を意匠化したものではない抽象的な花の文様どす。
花唐草文はそれゆえ季節を問わず用いることができます。
花唐草文は飛鳥時代に中国から伝わった唐草文が平安時代に和様にアレンジされて生まれたものどすが、その昔から他の植物文とは区別され、非日常的な意味合いを帯びていました。
この帯では菱形に配されて気高い印象どすね。
ふく紘さんも芸妓さん姿が板についてきたかと思うのですが、皆様いかがでしょうか。
まだまだ寒さが残っておりますので、皆様お風邪など召されませんようご自愛下さい。
2012年02月11日
二月の芸妓衣装(ふく紘)
暦の上ではもう春ですのにまだまだ寒い日が続いています。
皆様お元気でお過ごしでしょうか。
ふく紘さんの二月の芸妓衣装は紺色が印象的な粋な装いどす。
文字文の着物、牡丹文の帯が、大人っぽさを醸し出しています。
ふく紘さんは芸妓さんなので頭はかつらになっています。
文字文は平安中期に生まれた「かな文字」とともに意匠に取り入れられるようになりました。
配されたかな文字の一画一画が、葦の葉のように見えることから「葦手」とも呼ばれました。
現代ではかなの散らし書きだけでなく、漢字を大きく配したものなど意匠はバラエティに富んでいます。
ふく紘さんの着物には雪月花にちなんだ端歌や小唄が書かれています。
写真では「上野・雲・雪・峰・月、、」などの文字が見えますね。
牡丹は中国などでは「百花の王」として富貴の象徴とされています。
日本には奈良時代には入っていたようどすが、江戸時代に各地で栽培が行われるようになって人気が出て、文様にもたくさん用いられるようになりました。
厳しい寒さが続いていますが、皆様お風邪など召されぬよう御自愛下さい。
2012年01月26日
一月の芸妓衣装(ふく紘)
大寒の候、皆様お元気でしょうか。
ふく紘さんの一月の芸妓衣装は水色が印象的なすっきりとした装いどす。
松竹梅文の着物、幾何学文の帯が、さわやかさを醸し出しています。
ふく紘さんは芸妓さんなので頭はかつらになっています。
松竹梅文は衣装・陶磁器・漆器・建物・婚礼いろいろなものやシーンで見られます。
平安時代には松竹梅はそれぞれ描かれていましたが、三つ一緒に描かれるようになったのは室町時代に中国から日本へ「厳寒三友図」が伝わってからといわれています。
常盤の松・齢の松、廉潔な竹、清香・文雅な梅、この三つがそろった松竹梅文は、まさしく押しも押されぬ日本を代表する吉祥文どすね。
来月2日~4日は「節分おばけ」があります。
今年もスタッフ一同、趣向を凝らしてお待ちしています。
厳しい寒さが続いていますが、皆様お風邪など召されぬよう御自愛下さい。
2012年01月09日
新春の芸妓衣装(ふく紘)
皆様お元気で新年をお迎えのことと存じます。
ふく紘さんの新春の芸妓衣装は、黒紋付の着物・稲穂に鳩のかんざし・襟足は三本の正装どす。
稲穂に鳩のかんざしは、芸妓さんは向かって右側に、舞妓さんは向かって左側に挿すのが習わしどす。
ふく紘さんは芸妓さんなので頭はかつらどす。
宮川町では新春(1月5日~1月7日)の期間、芸舞妓さんは黒紋付の正装で過ごすことになっています。
この期間は正装で、お世話になっているお茶屋さんやお店、お師匠さんのところなどに「おめでとうさんどす」などとご挨拶にまわらせてもらいます。
1月7日に宮川町歌舞練場で芸舞妓さんが一同に介して行われる「始業式」にもこの正装で出席します。
ふく紘さんにとっては芸妓さんになって初めてのお正月どす。
新春にあたり、ふく紘さんは「今年も芸の道に精進して頑張ってゆきとおす」と言っていますので、皆様今年も相変わりませずふく紘さんをどうぞよろしくおたの申します。
2011年12月18日
十二月の芸妓衣装(ふく紘)
今年もいよいよ残りわずかとなりましたが皆様お元気でしょうか。
ふく紘さんの十二月の芸妓衣装は水色を基調としたさわやかな装いどす。
松をはじめおめでたく華やかな文様を散らした着物、エンジ色の向い鶴文の帯が、風格を醸し出しています。
ふく紘さんは芸妓さんなので頭はかつらになっています。
向かい鶴文は、菱形に意匠化されることが多い吉祥文どす。
昔から能装束などにもよく使われており、吉祥文の中でも特に格の高いものとして知られています。
ふく紘さんは舞妓さんの装いもよく似合ってましたが、芸妓さんの装いもとてもよく似合っていますね。
皆様どうぞおすこやかに新年をお迎えになられますようお祈り申し上げます。
2011年11月22日
十一月の芸妓衣装(ふく紘)
朝夕寒くなってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
ふく紘さんの十一月の芸妓衣装は、ピンクが印象的な上品な装いどす。
変わり花菱・楓・牡丹・菊・流水などの文様の着物、変わり花菱・菊などの文様が散らされた帯が大人っぽさを感じさせます。
ふく紘さんは今月舞妓さんから芸妓さんへ襟替えしましたので、頭はかつらになっています。
また帯はお太鼓結びでお姉さんの装いになっています。
ふく紘さんの芸妓さん姿ははじめての掲載になりますがいかがでしょうか。
ふく紘さんはこれからも芸の道に精進したいと言ってますので、皆様よろしくおたのもうします。
寒さに向かう季節となりましたが、皆様お風邪など召されませぬようご自愛下さい。
2011年11月05日
「先笄(さっこう)」の髷を結いました(ふく紘)
晩秋の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。
ふく紘さんは11月17(18.19)日の襟替え(芸妓さんになること)に向けて、今月1~3日の期間結わせてもうた「奴(やっこ)」の髷に続き、4~15日の期間「先笄(さっこう)」という髷を結わせてもうてます。
「先笄」は舞妓さんが襟替え前のわずかな期間だけ結う特別な髷どす。
前簪は鶴と松どす。
「先笄」は、かつて江戸後期から明治末期頃まで、上方を中心に西日本の町家の若い既婚女性がよく結っていました(襟替え前の舞妓さんが結うものとは少し形が違います)。
黒紋付の着物でお歯黒もしています。
「先笄」の期間、お座敷では「黒髪」という舞を舞わせてもうてます。
「先笄」は正式な髷なので三本の襟あしどす。
金糸をふんだんにつかった帯をさせてもうてます。
ふく紘さんは17(18.19)日にはしげ森(もり多)最初の芸妓さんになります。
おぼこかったふく紘さんもいよいよ襟替えの時期を迎え、感慨深おすね。
「先笄」はこのわずかな期間だけしか結わない髷ですので、しげ森(もり多)のお客様におかれましては、ふく紘さんに会いにきてくださいますようどうぞよろしくおたの申します。
ふく紘さんは11月17(18.19)日の襟替え(芸妓さんになること)に向けて、今月1~3日の期間結わせてもうた「奴(やっこ)」の髷に続き、4~15日の期間「先笄(さっこう)」という髷を結わせてもうてます。
「先笄」は舞妓さんが襟替え前のわずかな期間だけ結う特別な髷どす。
前簪は鶴と松どす。
「先笄」は、かつて江戸後期から明治末期頃まで、上方を中心に西日本の町家の若い既婚女性がよく結っていました(襟替え前の舞妓さんが結うものとは少し形が違います)。
黒紋付の着物でお歯黒もしています。
「先笄」の期間、お座敷では「黒髪」という舞を舞わせてもうてます。
「先笄」は正式な髷なので三本の襟あしどす。
金糸をふんだんにつかった帯をさせてもうてます。
ふく紘さんは17(18.19)日にはしげ森(もり多)最初の芸妓さんになります。
おぼこかったふく紘さんもいよいよ襟替えの時期を迎え、感慨深おすね。
「先笄」はこのわずかな期間だけしか結わない髷ですので、しげ森(もり多)のお客様におかれましては、ふく紘さんに会いにきてくださいますようどうぞよろしくおたの申します。
2011年11月03日
「奴(やっこ)」の髷を結いました(ふく紘)
晩秋の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。
ふく紘さんは11月17(18.19)日の襟替え(芸妓さんになること)に向けて、今月1日~3日の期間、先ず「奴(やっこ)」という髷を結わせてもうてます。
前挿しは金・銀でこしらえた松どす。
「奴」は正式な髷なので、三本の襟あし・鼈甲の簪も挿しています。
また後日ご紹介させていただきますが、ふく紘さんは奴の髷の後、4~15日の期間、先笄(さっこう)という髷を結わせてもらいます。
おぼこかったふく紘さんも襟替えの時期を迎え、感慨深おすね。
寒くなってまいりましたが皆様ご自愛のほどお祈り申し上げます。
ふく紘さんは11月17(18.19)日の襟替え(芸妓さんになること)に向けて、今月1日~3日の期間、先ず「奴(やっこ)」という髷を結わせてもうてます。
前挿しは金・銀でこしらえた松どす。
「奴」は正式な髷なので、三本の襟あし・鼈甲の簪も挿しています。
また後日ご紹介させていただきますが、ふく紘さんは奴の髷の後、4~15日の期間、先笄(さっこう)という髷を結わせてもらいます。
おぼこかったふく紘さんも襟替えの時期を迎え、感慨深おすね。
寒くなってまいりましたが皆様ご自愛のほどお祈り申し上げます。
2011年10月26日
「御園座 第四十七回吉例顔見世」に行ってきました(ふく紘)
10月25日、ふく紘さんと名古屋にある御園座で開催された「第四十七回 吉例顔見世 三代目中村又五郎様・四代目中村歌昇様襲名披露(千秋楽)」に行ってきました。
公演のポスター。
番組は以下どした。
一、南総里見八犬伝
二、一條大蔵譚
三、口上(三代目中村又五郎・四代目中村歌昇 襲名披露)
四、寿曽我対面
番組とふく紘さん。
ふく紘さんは歌舞伎が大好きなのでとてもうれしそうどすね。
ふく紘さんは見事な「口上」にとても感動していました。
ふく紘さんと会場の胡蝶蘭。
人気の役者さんの舞台なので沢山お花が届けられていました。
今日のふく紘さんは白塗りではなくからげ(普段着のお着物・お化粧・)ですがいかがでしょうか。
舞妓さんは白塗りだけではなくて、このようにからげの日もあるんどすえ。
ずいぶんと涼しい季節になりましたが、皆様ご自愛のほどお祈り申し上げます。
公演のポスター。
番組は以下どした。
一、南総里見八犬伝
二、一條大蔵譚
三、口上(三代目中村又五郎・四代目中村歌昇 襲名披露)
四、寿曽我対面
番組とふく紘さん。
ふく紘さんは歌舞伎が大好きなのでとてもうれしそうどすね。
ふく紘さんは見事な「口上」にとても感動していました。
ふく紘さんと会場の胡蝶蘭。
人気の役者さんの舞台なので沢山お花が届けられていました。
今日のふく紘さんは白塗りではなくからげ(普段着のお着物・お化粧・)ですがいかがでしょうか。
舞妓さんは白塗りだけではなくて、このようにからげの日もあるんどすえ。
ずいぶんと涼しい季節になりましたが、皆様ご自愛のほどお祈り申し上げます。
2011年10月05日
十月の舞妓衣装(ふく紘)
秋風が肌に心地よい季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
ふく紘さんの十月の舞妓衣装は、濃淡の色彩が印象的な装いどす。
並び竹文の着物、遠山文の帯、大輪の菊の花かんざしが大人へと向かう舞妓さんの落ちついた雰囲気を醸し出しています。
並び竹文は上へと向かう竹の直線と葉を生かして配列したユニークな意匠どす。
松竹梅の吉祥文が有名どすが、竹は常に緑をたたえ、中は空で隠すことなく、空に向かってまっすぐに伸びることから、清和の象徴として竹単体でデザインされることも多おす。
遠山文は中国から伝わった山水画の影響を受け、日本本来の山水の景色を反映するようになったものどす。
たなびく霞の向こうに覗くなだらかな山々は、いかにも大和絵という風情で日本らしゅうおすね。
菊は昔から日本の秋を代表する植物どす。
江戸時代には鉢での栽培がとても盛んで大小さまざまな種類が生まれ、絵画・版画・工芸品などにも多く描かれ、菊文も隆盛を極めました。
凛とした一輪の大降りの菊の花かんざしは、お姉さん格の舞妓さんであるふく紘さんによく似合ってますね。
昨年6月、宮川町お茶屋しげ森の舞妓三人(ふく紘・ふく帆・小ふく)が出演し、大好評をいただいたNHK「美の壺」~京の舞妓~が、10月13日(木)19:30~(NHKBSプレミアム〔BS103〕)・他日程でアンコール放送されます。
ふく紘さんも多く出演させてもうてますので、皆様観ていただけますようよろしくおたの申します。
NHK「美の壺」~京の舞妓~アンコール放送について詳しくはこちらをご覧下さい。
2011年09月23日
九月の舞妓衣装(ふく紘)
朝夕日毎に涼しくなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
ふく紘さんの九月の舞妓衣装は、シックで大人っぽい印象の装いどす。
紗袷(無双)の着物、笹蔓文の帯、大降りの桔梗の花かんざしが、大人への階段を上りつつある舞妓さんの落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
紗袷(無双)は、夏物の紗を二重に重ねた贅沢な着物どす。
外の紗には色物を、中の紗には柄物を用います。
遠くからでは柄が分かりにくおすが、下の生地には桔梗文が描かれています。
桔梗は青紫色の星型の花を咲かせる、朝顔や撫子と並ぶ可憐な秋草どす。
六月と九月のお着物の紗袷(無双)は涼しそうに見えますが、二重という事もあり見た目以上に暑いんどすえ。
笹蔓文は中国の明の時代に伝えられた名物裂「笹蔓緞子」の文様を模した唐草文様のひとつどす。
三百年に一度実をつけるとされる竹の実と花をデザインしたものといわれていますが、おめでたい松竹梅にかけて梅花に松笠という解釈もあるようどす。
永遠の生命力の象徴であるぐんぐん伸びる蔓文(唐草文)も吉祥文ですので、重ねておめでとうすね。
この度、しげ森三人の舞妓(ふく紘・ふく帆・小ふく)は、10月6日(木)~9日(日)の期間開催される「みずゑ会」に出させてもらいます。
ふく紘さんもお稽古を一生懸命がんばってますので、多くの方に来ていただけますよう皆様どうぞよろしくおたの申します。
「みずゑ会」のプログラムなど詳しくはこちらをご覧下さい。