2011年05月14日
五月の舞妓衣装(ふく紘)
若葉かおるころとなりました。
ふく紘さんの五月の舞妓衣装は、鮮やかな青が印象的な凛とした装いどす。
アヤメの簪、流水にさらりとあしらった牡丹・楓の文様の着物と、大降りの花菖蒲の文様の帯が、さわやかで広々とした五月の明るい庭園を連想させます。
牡丹は中国などでは「百花の王」として富貴の象徴とされています。
日本には奈良時代には入っていたようどすが、江戸時代に各地で栽培が行われるようになって人気が出て、文様にもたくさん用いられるようになったそうどす。
一方アヤメや花菖蒲どすが「いすれがアヤメか杜若」という言葉があるように、見分け方がむずかしおす。
「あやめ」は乾いたところ、「杜若」「花菖蒲」は湿ったところに育つのどすが、ふく紘さんの帯にはうっすら水の文様がかかれてありますので、「杜若」か「花菖蒲」ということになります。
そして花びらの特徴として「花菖蒲」には黄色の細長い筋が、「杜若」には白色の細長い筋が入りますので、ふく紘さんの帯は「花菖蒲」の文様ということになるんどす。
舞妓さんのお着物には季節を象徴する文様がちりばめられていますんで、お着物の文様に着目してみるもの楽しおすね。
一枚目の写真は、祇園の素敵なバーに呼んでもらったときに撮らせてもうた写真どす。
藤の花がとてもきれいどしたんで一緒に映してもらいました。
皆様季節の変わり目ですのでご自愛のほどお祈り申し上げます。
2011年05月14日
五月の舞妓衣装(小ふく)
川端沿いの並木も緑がとてもきれいで、風の気持ちよい季節になりました。
小ふくさんの五月の舞妓衣装は新緑の季節らしい明るい色あいの装いどす。
蝶々をたくさん飛ばした着物の文様と、葵の葉をあしらった帯の文様が、命息吹くこの季節によくあってますね。
蝶は平安中期ころからよく使われるようになった文様どす。
昔から人々は、蝶が卵から青虫・サナギ、そして美しい成虫へとつぎつぎと変化する様子に神秘性を感じ、蝶の文様を好んで使ってきたようどす。
一方、葵の文様が使われるようになったのは明治時代以降のことどす。
江戸時代は徳川家の家紋に葵が使われていた関係で、人々は葵の文様の使用を遠慮していたようどす。
五月は賀茂神社の葵祭がありますが、賀茂神社の神紋も葵ですね。
皆様季節の変わり目ですのでご自愛のほどお祈り申し上げます。