2011年07月17日
七月の舞妓衣装(小ふく)
花火の音が聞こえる季節となりました。
小ふくさんの七月の舞妓衣装は、すこし大人っぽく上品な印象の装いどす。
大ぶりの百合文様の絽の着物、金糸をふんだんにつかった松竹梅の文様の帯、「勝山」の髷、蝶々の花かんざしが、季節感と清楚さを引き出しています。
小ふくさんの大好きな百合の文様がよく見えるように、袖を広げた状態で撮影させてもらいました。
百合には様々な種類があり、昔から観賞用として栽培されてきましたが、着物などにデザイン化されて用いられることはほとんどありませんでした。
着物によく用いられるようになったのは大正時代ころからで、アール・ヌーボー様式の隆盛に伴って写実的に描かれるようになりました。
小ふくさんの着物からも百合のいい香りがしてきそうどすね。
中国では四君子(蘭・竹・菊・梅)がよく用いられますが、それに対して松竹梅はいかにも日本的な吉祥文様どす。
この帯には、大降りの竹を背景に若松の丸文、変わり梅が配されています。
日本人にはなじみの松竹梅どすが、このように様々なバリエーションで展開されています。
「勝山」の髷は、祇園祭の10日の御輿洗いから、24日の後祭りの期間だけ結う特別な髷どす。
今月の舞妓衣装の一番の特徴どすね。
「勝山」は江戸時代初期、遊女の勝山が結い始めたことから名づけられました。
元禄時代には一般の女性にも広まり、武家の奥方なども結うようになりました。
そして江戸中期頃には遊女、後期以降は既婚の女性の髪形として知られるようになりました。
写真のように髷が大きな輪になっているのがポイントどす。
小花に舞う蝶々の簪とよく合ってますね。
この度、しげ森三人の舞妓は7/24(日)10:00~開催される「若柳会」で初めて京都南座の舞台に出させてもらいます。
いよいよ夏本番どすが、小ふくさんもお稽古を一生懸命がんばってますので、多くの方に観に来ていただけますよう皆様どうぞよろしくおたの申します。
「若柳会」のプログラムなど詳しくはこちらをご覧下さい。