2013年10月30日
十月の見習い衣装(小はる)
日ごとに秋も深まってまいりました、いかがお過ごしでしょうか。
小はるさんの十月の見習い衣装は華やかでかわいらしい装いどす。
菊のかんざしに花筏の袷の着物、片輪車文の染帯がおぼこい見習いさんの愛らしさをひきたてています。
小はるさんは九月十四日より見習いさんとしてお座敷に上がらせてもうてますが、以前にご紹介させていただいた「半だら」の格好から舞妓さんと同じすそ引きにダラリの帯に衣装が変わりました。
菊は平安時代より薬草や観賞用植物として愛好されてきました。
宮中では菊の節句とも呼ばれる重陽の節句が明治時代まで行われ、現在でも皇室園遊会として受け継がれているそうどす。
古今和歌集のころからよく歌に詠まれるようになり、鎌倉時代には蒔絵や衣装の文様としても取り入れられるようになりました。
花筏(はないかだ)は本来は桜花が水面に散った時にひとかたまりになって流れる様を呼ぶものどしたが、文様としては筏に他の花や折り枝を配したものを呼ぶことが多おす。
筏に菊や松、梅、桜、椿など様々な花を色とりどりにのせることで華やかでかわいらしい着物になっていますね。
片輪車文は御所車の車輪が乾燥しないように流水の中に浸した情景を描いた文様どす。
リズミカルな水の動きと面白い車輪の動きから様々に組み合わされて意匠化されます。
小はるさんは十一月にお見世出しさせてもらうことになりました。
どうぞ暖かく見守って頂けます様よろしくおたのもうします。
朝夕はすっかり冷え込んでまいりました、お元気でお過ごしくださいませ。
Posted by しげ森
at 18:24
2013年10月30日
十月の舞妓衣装(小よし)
秋の夜長、みなさまいかがお過ごしどすか。
小よしさんの十月の舞妓衣装は秋を感じさせるさわやかな装いどす。
菊のかんざしに揚羽蝶が舞い飛ぶ袷の着物、鈴が散らされた染帯がおぼこい舞妓さんの愛らしさをひきたてています。
菊は秋を代表する植物で奈良時代に中国から薬草として伝来しました。
中国では不老長寿の効があるとされ、重陽の節句には菊花の宴を開いて菊酒を飲み長寿を願ったそうどす。
揚羽蝶は鳳蝶とも呼ばれる大型の華麗な蝶どす。
平安中期以降から蝶文が流行し、不老不死のシンボルとして武士に好まれて平家ゆかりの家々の家紋にも多く使われました。
鈴は古くから神事や祭祀に用いられ、後に楽器として使われるようになりました。
形の美しさから文様に取り入れられるようになり、子どもや年若い女性の衣装によくみられます。
黒地に鮮やかな鈴が映える舞妓さんらしいかわいらしい帯どすね。
だんだんと涼しくなってまいりました、くれぐれもご自愛くださいませ。
Posted by しげ森
at 12:00