2014年02月15日
二月の舞妓衣装(ふく苗)
暦の上では春とはいえ、まだまだ寒おすね。
ふく苗さんの二月の舞妓衣装は白とひわ色のグラデーションが惹き立つ鮮やかな装いどす。
梅のかんざしに貝を三つあわせて丸文に見立てた二つ綿の着物、唐花蜀江文が大胆に織り込まれた豪華な織帯がまるで蕾から花開いていくような舞妓さんの可憐さをひきたてています。
梅は早春を象徴する花で、古来から日本人に愛されてきました。
菅原道真が好んだことでも知られ、各地の天満宮では梅がシンボルとされています。
「東風(こち)吹かば にほひおこせよ梅の花 主なしとて 春な忘れそ」とは菅原道真が大宰府に左遷されるとき、道真の愛した庭の梅の花に別れを惜しんで詠んだ歌どす。
後に庭の梅木が道真を追って飛んで行ったという飛梅伝説は有名どすね。
貝は縄文時代の貝塚が遺っているくらい日本人になじみの深いものどすが、その形のおもしろさから文様としても取り入れられてきました。
海に囲まれた日本では二枚貝や巻貝など貝の種類は多く、意匠化せずに写実的に描かれることが多おす。
蜀江文は八角形と四角形を交互に組んで上下左右につなげたもので、その中に様々な文様が入ります。
八角形は天地を集約した形象で全世界を表すとともに大地の中心を示しているといわれ、また四方八方に物事がゆきわたって地を鎮める形とされるため、寺社や能装束などに多く使われています。
時節柄、くれぐれもご自愛下さいませ。
Posted by しげ森
at 20:02