2012年08月17日
八月の舞妓衣装(ふく苗)
立秋も過ぎ暦の上では秋を迎えましたがまだまだ暑さも厳しく、みなさまお変わりございませんか。
ふく苗さんの八月の舞妓衣裳は朝焼けの中に青葉がそよいでいるような、夏の早朝を思わせる爽やかな装いどす。
薄(すすき)のかんざしに露芝文の呂の着物、花丸文が散りばめられた源氏車の夏の織帯が目に涼やかさを与えてくれています。
薄は秋の七草の一つでお月見にはかかせないものどす。
中秋の名月には収穫物と一緒に供えられますが、収穫物を悪霊から守り翌年の豊作を祈願する意味があるそうどす。
あまり華やかではない薄ですが一つ一つの穂が銀細工で丁寧に表現されており、舞妓さんの頭をキラキラと彩っていてかわいらしおすね。
露芝文は早朝の芝草に露が宿り太陽の光とともに消えていくその儚さを写しとどめた文様で、夏の着物や帯によく用いられます。
鎌倉時代から絵皿や工芸品によく描かれるようになり、しだいに能装束や着物に取り入れられていきました。
源氏車は御所車の車輪のみを取り上げて意匠化したもので、どこまでも回転する車輪が縁起の良いものとして人気が高おす。
『源氏』とつくのは源氏物語風のという意味で、源氏物語の中に描かれている葵上と六條御息所の車争いのお話は有名どすね。
植物文と組み合わされることが多く、華やかで優美な王朝の雅さが表現されています。
夏の疲れが出てくる頃です、ご自愛くださいませ。
Posted by しげ森
at 20:54