2012年11月09日
十一月の芸妓衣装(ふく紘)
遠くの山々も澄みきった青空に映える季節となりました。
ふく紘さんの十一月の芸妓衣装は柔らかな藤色が印象的な落ち着いた装いどす。
流水に短冊や色紙が流れる一つ綿の着物に、重ねられた色紙の中に菊や七宝花菱が描かれた織帯が上品な芸妓さんの優美さをひきたてています。
短冊や色紙は和歌や俳句、絵などを描いてそれだけで完結したものどすが、地紙と同じように「色紙取り」文様としてよく用いられます。
色紙の中に描かれた絵柄によって様々な印象の文様を作り出すことができ、画中画のような面白い意匠が多く見られます。
方形の色紙を数多く組み合わせて画面に散らしたものは「色紙散らし」と呼ばれ、その中に菊や七宝花菱など吉祥文が織り込まれて華やかな帯となっていますね。
ふく紘さんは今月十一月で芸妓さんになって一年となりました。
その間に二人の妹(ふく苗、ふく兆)ができ、芸妓さんとしての責任とやりがいを感じながらお稽古にお座敷にと日々気張ったはります。
本格的な寒さに向かう深秋のころ、体調をくずされぬようご自愛くださいませ。
Posted by しげ森
at 10:00
│ふく紘