2012年06月15日
六月の芸妓衣装(ふく紘)
本格的な夏を前に木々の緑が色濃くなってまいりました。
ふく紘さんの六月の芸妓衣装は柔らかな藤色が初夏を感じさせる上品な装いどす。
流水文に青もみじが散らされた単衣の着物と、扇面文が大きく描かれた呂の染帯が芸妓さんらしい優美さをかもしだしています。
今月から衣替えどすので小物類もすべて夏物どす。
かつらに挿す櫛も涼しげなものに変わりました。
水をモチーフにした文様は古くから見られ、その中でも流水文には最も古いと云われている文様どす。
楓は春の桜と並んで日本人の季節感を代表する樹木で、葉の色や形の面白さから桃山時代以降数多く使われてきました。
秋の紅葉だけではなく、赤く色づく前の清々しい新緑の葉が使われることも多く、流水と合わせることでこの時期にふさわしい爽やかさが表現されています。
扇面文は扇文、末広文とも呼ばれ、末に広がるその姿から縁起の良い吉兆の文様とされています。
今回ふく紘さんが締めている染帯は、しげ森のお姉さん(元芸妓・ふく笑さん)が自前の芸妓さん(家を出て一人前になった芸妓さんのことをこう呼びます)になったときに初めてあつらえた思い出深い帯どす。
大事な帯を貸していただいたふく紘さんは大切に締めながらお座敷をきばったはります。
梅雨冷えの肌寒い日もございますので、皆さま体調などくずされないようにお気をつけくださいませ。
Posted by しげ森
at 19:52
│ふく紘