2012年05月17日
五月の舞妓衣装(小ふく)


若葉がかおる頃となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
小ふくさんの五月の舞妓衣裳は艶やかな紫と目に鮮やかな鶸(ひわ)色との対比が印象的な大人っぽい装いどす。
すっきりしたアヤメのかんざしに、扇骨に葵や桔梗などさまざまな草花がまとめられた花扇の着物、朱色で描かれた蝶々があでやかに舞い飛ぶ染帯が、若さの中に凛とした女性らしさを引き出しています。
アヤメはこの時期に紫や白い花を咲かせる初夏を代表する花どす。
「いずれあやめかかきつばた」というのは優劣がつけられないほど美しい様子を表した言葉ですが、それほどアヤメ科の植物は見分けがつきにくく、乾いた場所を好むのがアヤメ、水辺の湿地に育つのがかきつばたと言われます。
開いた扇の形は発展や繁栄の吉兆を表す図形として人びとに好まれているものどす。
今回のお着物には地紙ではなく草花を直接描くことにより、落ち着いた色合いの中に舞妓さんらしい華やかさが演出されています。
小ふくさんは舞妓さんとなって四年目。
紫地のお姉さんらしいお着物がよう似おうたはりますね。
梅雨のはしりのように気まぐれな空の下、皆様十分お体にお気をつけください。