2014年02月15日
二月の舞妓衣装(ふく苗)


暦の上では春とはいえ、まだまだ寒おすね。
ふく苗さんの二月の舞妓衣装は白とひわ色のグラデーションが惹き立つ鮮やかな装いどす。
梅のかんざしに貝を三つあわせて丸文に見立てた二つ綿の着物、唐花蜀江文が大胆に織り込まれた豪華な織帯がまるで蕾から花開いていくような舞妓さんの可憐さをひきたてています。
梅は早春を象徴する花で、古来から日本人に愛されてきました。
菅原道真が好んだことでも知られ、各地の天満宮では梅がシンボルとされています。
「東風(こち)吹かば にほひおこせよ梅の花 主なしとて 春な忘れそ」とは菅原道真が大宰府に左遷されるとき、道真の愛した庭の梅の花に別れを惜しんで詠んだ歌どす。
後に庭の梅木が道真を追って飛んで行ったという飛梅伝説は有名どすね。
貝は縄文時代の貝塚が遺っているくらい日本人になじみの深いものどすが、その形のおもしろさから文様としても取り入れられてきました。
海に囲まれた日本では二枚貝や巻貝など貝の種類は多く、意匠化せずに写実的に描かれることが多おす。
蜀江文は八角形と四角形を交互に組んで上下左右につなげたもので、その中に様々な文様が入ります。
八角形は天地を集約した形象で全世界を表すとともに大地の中心を示しているといわれ、また四方八方に物事がゆきわたって地を鎮める形とされるため、寺社や能装束などに多く使われています。
時節柄、くれぐれもご自愛下さいませ。
Posted by しげ森
at 20:02
2013年12月12日
十二月の舞妓衣装(ふく苗)



街中がクリスマスのイルミネーションに彩られて心がうきうきしますね。
ふく苗さんの十二月の舞妓衣装はこの時期にぴったりの明るくて華やかな装いどす。
かわいらしいまねきのかんざしに総絞りの二つ綿の着物、若松に観世流水文の織帯が舞妓さんの少女らしさをかもしだしています。
まねきとは毎年十二月に京都南座で行われます吉例顔見世興行で劇場正面に掲げられる出演俳優の名前が書かれた看板のことで、京都の師走の風物詩どす。
舞妓さんのかんざしにも小さなまねきがついており、出演している役者さんに実際に名前を書いてもらいます。
今回は四代目市川猿之助さん、九代目市川中車さんの襲名披露どすのでお二人に書いていただきました。
絞りとは染色技法の1つで生地全面を均一に染めるのではなく、部分的に染め残しを作る技法どす。
染め残す部分をつまみ、糸でくくったり、針で縫ったり、強く圧迫したりして染料液の中に浸して染めます。
染め上がってから糸をほどくと、その部分が模様として表れます。
とても手間のかかる技法どすが絞りで作られた着物は豪華で華やかなため、成人式の振袖などにもよく使われています。
観世流水文は水文様の代表的なもので、能楽の家元観世太夫が定式文様として使用したところから名づけられた文様どす。
色留袖や袋帯などの礼装に用いられたり、白生地の地紋に使われる等格調高い文様どす。
心せわしい年の暮れを迎え何かとご多用とは存じますが、お体にお気を付けてお過ごしくださいませ。
Posted by しげ森
at 20:45
2013年11月25日
十一月の舞妓衣装(ふく苗)


冬がもうそこまで近づいて来ました、みなさまいかがお過ごしどすか。
ふく苗さんの十一月の舞妓衣装は落ち着いた中に華やかさが引き立つ装いどす。
もみじのかんざしに流水ぼかしに様々な花が描かれた一つ綿の着物、牡丹唐草文の織帯が若い舞妓さんの愛らしさを引き出しています。
ぼかしとは着物の染めの手法の一つで、平安時代に生まれた古典的な染め方どす。
絵模様のようにはっきりとせず、やさしくやわらかな印象を持つぼかしは着物に華やかさをもたらしてくれます。
ぼかし方にも様々あり、柄のある着物の裾だけをぼかした「裾ぼかし」、縦方向の「縦ぼかし」、図柄の周りを薄くする「まきぼかし」など多用に表現されます。
牡丹唐草文は牡丹と唐草を組み合わせた文様どす。
牡丹はその華麗な姿から花の王とされ、平安時代から貴族に愛されて様々な文様として用いられてきました。
室町時代までは牡丹の葉形を写生的に描いたものが多く、江戸時代以降に唐草に牡丹を添えた形がよく使われるようになったそうどす。
寒さに向かう季節となりました、お風邪など召されませぬようご自愛下さいませ。
Posted by しげ森
at 12:00
2013年10月28日
十月の舞妓衣装(ふく苗)


秋風が冷たく感じるようになってきた今日この頃、いかがお過ごしどすか。
ふく苗さんの十月の舞妓衣装はさわやかな印象のお姉さんらしい装いどす。
菊のかんざしに揚羽蝶が舞い飛ぶ袷の着物、笹紋と花菱亀甲文があしらわれた染帯が華やかな中に落ち着きを感じさせます。
菊は秋を表す植物で、文様としては様々に意匠化され、日本国旅券や皇室の紋に使われるなど国民的な文様どす。
奈良時代に中国から薬草として伝わり、その美しさからのちに観賞の対象となりました。
揚羽蝶はその可憐な姿が多くの人に愛され、文様としても様々に使われてきました。
華やかさだけでなく、卵から青虫、毛虫となり、蛹から美しい蝶へと大きく変化するその様が呪術的神秘性を感じさせてより人々を惹き付け、不老不死のシンボルとして武士にも好まれました。
笹文と亀甲文はともに吉祥文であり、おめでたいときによく使われます。
笹は冬でも鮮やかな緑の葉を繁らせ、雪解けを待ってしなやかに成長することから強靭な精神にたとえられ、尊ばれてきました。
亀甲文は亀の甲羅に似ていることから長寿の象徴として好まれ、亀甲文を入れ子にした子持ち亀甲や花菱と組み合わせた花菱亀甲など様々なバリエーションが生まれました。
ちなみに亀甲文は西洋では蜂の巣文と呼ばれるそうどす。
過ごしやすい季節になりましたが、無理をなさらぬようお気を付け下さいませ。
Posted by しげ森
at 22:21
2013年09月11日
九月の舞妓衣装(ふく苗)


朝夕はめっきり涼しくなりましたが、みなさまお元気でお過ごしでしょうか。
ふく苗さんの九月の舞妓衣装はかわいらしさの中に少女の色香が漂う華やかな印象の装いどす。
桔梗のかんざしに露芝に蝶が舞い飛ぶ単衣の着物、、柳に傘文様の絽の染帯が舞妓さんの可憐さをひきたてています。
桔梗は古くは万葉集に詠まれる花で秋の七草の一つどす。
開花前に花びらが互いのふちでくっついたまま膨れていくため、蕾が風船のように丸くふくらむのが特徴どす。
花言葉は「清楚、気品」。
舞妓さんにぴったりの花言葉どすね。
露芝文は芝草に露が降りた状態を文様化したもので、夏の着物や帯に多く用いられます。
露や芝がカラフルに配色されていてその上を舞う蝶々もさらに華やかに描かれており、愛らしい着物になっていますね。
傘は奈良時代から使われる私たちの生活に密着したものどす。
雨や日差しから身を守る他にも、面を隠す意味もありました。
文様としてはその形の面白さから江戸時代に取り入れられるようになり、帯や着物に数多くデザインされました。
夏の疲れが出てくる頃どす、ご無理などなさいませぬようおたの申します。
Posted by しげ森
at 12:00
2013年08月28日
八月の舞妓衣装(ふく苗)


盛夏の疲れの出やすい時節となりましたが、夏風邪など召されていませんか。
ふく苗さんの八月の舞妓衣装は柔らかな印象の少し落ち着いた装いどす。
薄のかんざしに朝露が描かれた薄文様を配した絽の着物、雪輪に唐花文様の帯が清楚な雰囲気を醸し出しています。
薄は秋の七草の一つで尾花ともいわれます。
古い呼び名である尾花とは花が終わると穂が獣の尾っぽのようになることからいわれたものどす。
雪輪文は雪の文様の1つで、雪の結晶に見られる美しい六角形の輪郭を円形に描いた文様どす。
雪輪の中に他の文様を描いたり、文様の区切りに用いたりもします。
中に唐花が描かれ、周りに蝶々を舞わす事で舞妓さんらしい華やかな帯になっていますね。
朝晩は涼しくなってまいりました、お身体おいとい下さいませ。
Posted by しげ森
at 19:02
2013年07月25日
七月の舞妓衣装(ふく苗)


暑さ厳しき折、みなさまお元気でいらっしゃいますか。
ふく苗さんの七月の舞妓衣装は薄桃と紫の組み合わせが印象的な優しげな装いどす。
勝山の豪華なかんざしに朝顔と風鈴がかわいらしく描かれた呂の着物、折り鶴の夏の織帯が可憐な優美さをかもしだしています。
勝山は祇園祭の10日の御輿洗いから24日のあと祭りの期間だけ結うことのできる特別な髷どすが、ふく苗さんは二年目の若い舞妓さんなのでまだ結うことはできません。
ですので普段の「われしのぶ」の髷に勝山のかんざしをつけさせてもうてます。
朝顔は奈良時代に薬として中国から伝わり、江戸時代には観賞用として人気を得た日本人にはおなじみの花どす。
文様としてもよく好まれ、夏の着物や帯、ゆかた等に様々なバリエーションで意匠化されています。
朝顔に風鈴の組み合わせが夏の涼を運んできてくれるようどすね。
折鶴文は折り紙で折った鶴を文様化したもので、着物や帯のほか長襦袢の柄としてもよく用いられてきました。
古くは貴重品であった紙を折る事は儀礼と祈りの象徴とされ、そのことから吉祥の象徴でもありました。
沢山の折り鶴をあしらった柄が舞妓さんの愛らしさを引き立ててますね。
本格的な夏を迎えました、みなさま夏バテなどされぬようくれぐれもお気をつけくださいませ。
Posted by しげ森
at 20:01
2013年05月27日
五月の舞妓衣装(ふく苗)


初夏を思わせる陽気になりました、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
ふく苗さんの五月の舞妓衣装は若さあふれる瑞々しい印象の装いどす。
藤のかんざしに揚羽蝶が舞い飛ぶ着物、葵文の染帯が舞妓さんのかわいらしさを引き立てています。
藤は薄紫や白色の美しい花房を垂下させた初夏を知らせる花どす。
古くから長寿や繁栄を表す花として愛好されてきました。
平安後期に全盛を誇った藤原氏の影響で高貴な花として尊ばれ、格の高いものとされています。
揚羽蝶はその優美さと華やかさが古くから好まれ、多彩な表現で意匠化されてきました。
姿形の愛らしさだけでなく、卵から成虫になるまでの変化の様が呪術的神秘性を感じさせる蝶は、不老不死の象徴として武士の紋章にも多く使われています。
葵文は水戸黄門などに見られる徳川家の家紋「三つ葉葵」が有名どすね。
もともとは京都の賀茂神社の神紋で神社との縁から徳川家の家紋とされたそうどす。
そのため江戸時代には葵の文様を使う事は遠慮され、現在よく見かける文様は明治以降のものが多おす。
ハート形の葉がかわいらしく、舞妓さんらしい帯となっていますね。
暑い季節に向かいます、なにとぞご自愛くださいませ。
Posted by しげ森
at 18:55
2013年03月08日
三月の舞妓衣装(ふく苗)



寒かったり、暖かかったりの毎日どすがみなさまお元気でお過ごしでしょうか。
ふく苗さんの三月の舞妓衣装は柔らかなグラデーションが印象的な春めいた装いどす。
菜の花のかんざしにパステルカラーが愛らしい桜文の着物、揚羽蝶があでやかに舞い飛ぶ鶸色の織帯が若い舞妓さんの瑞々しさを惹きたてています。
菜の花は身近な春の花として古来から好まれている花で、文学や歌などにもよく登場します。
菜の花は別名を花菜(はなな)、菜種(なたね)などと呼ばれることから、菜の花が咲く頃に降り続く雨のことを「菜種梅雨(なたねつゆ)」と呼ぶそうどす。
桜は平安時代に貴族に愛好され、花といえば「桜」と言われるほど日本人の心に寄りそった花どす。
そのため着物の文様だけでなく、蒔絵、陶磁、金工など様々に表現され、単に季節を象徴するものではなく「花の文様」として季節を問わず用いられるようになりました。
揚羽蝶は緑黄地に黒い節や斑紋のある大型の華麗な蝶を文様化したものどす。
平安時代中期から有職文として用いられ、能装束や小袖、蒔絵などに描かれました。
雲間に舞う可憐な揚羽蝶が春を運んで来てくれるようどすね。
今ふく苗さんは四月の京おどりに向けて一生懸命お稽古したはります。
どうぞたくさんの方に見に来ていただけますよう、よろしくおたのもうします。
京おどりのチケットはしげ森でも取り扱っております。
京おどりチケットについてはこちら
季節の変わり目どす、くれぐれもご自愛くださいませ。
Posted by しげ森
at 21:10
2013年02月22日
二月の舞妓衣装(ふく苗)



冬に逆戻りしたような寒さの毎日ですが、みなさまお元気でしょうか。
ふく苗さんの二月の舞妓衣装はブルーとオレンジの対比が印象的な若々しい装いどす。
梅が満開に咲いたかんざしに薬玉文の鮮やかな着物、蜀江文の織帯がいつも元気なふく苗さんのハツラツさを惹きたてています。
今月からふく苗さんのお化粧が少し変わったのどすが、どこが変わったかおわかりになりますやろか?

正解は口紅どす。
出て一年未満の舞妓さんは唇の下にしか紅をさすことができません。
舞妓さんの初心者マークのようなものどすね。
舞妓さんとなって一年が経ち、おかあさんやお姉さんのお許しを得て上紅をぬることができるようになります。
ふく苗さんは一月十七日で舞妓さんとして一年を迎え、今月から上紅をぬらさせてもらうことになりました。
少しの変化どすがぐっとお姉さんらしくならはりましたね。
梅は早春を象徴する花で、古来から日本人に愛されてきました。
菅原道真が好んだことでも知られ、各地の天満宮では梅がシンボルとされています。
菅原道真が太宰府に左遷されるあとを追って梅の木が飛んで行ったという飛梅伝説は有名どすね。
薬玉文は種々の葉や香料を錦の袋に入れ、菖蒲、よもぎなどの造花を結んで五色の糸を垂らした薬玉を文様化したものどす。
若い女性や女児の七五三の祝い着などによく用いられる華やかな文様どす。
蜀江文は中国から伝来した蜀江錦が織り出された文様のことで、仏教装飾や錦織物の文様としてよく見られます。
大きく描かれた文様が華やかな豪華な帯どすね。
春とはいえ厳しい寒さが続きます、ご自愛くださいませ。
Posted by しげ森
at 22:51
2013年01月25日
一月の舞妓衣装(ふく苗)



いよいよ本格的な寒さになってまいりました。
ふく苗さんの一月の舞妓衣装は鮮やかなピンクに黒い帯が印象的な華やかな装いどす。
稲穂と松竹梅のかんざしに様々な文様の扇が描かれた二つ綿の着物、若松に観世流水文の織帯が若々しい舞妓さんのあでやかさをかもしだしています。
稲穂は松の内の十五日まで差すお正月のものどす。
松竹梅は吉祥のシンボルとして馴染み深いものどすが、松から格の高いものとされるのはおめでたいものに加わった順番からきているそうどす。
扇は末広がりの形が発展、繁栄の吉祥として多く用いられ、その形の面白さから様々に意匠されています。
地紙に色とりどりの花文様を付け一面に散らすことで、舞妓さんらしい可憐な衣装となっていますね。
若松文は芽生えて間もない若い松を文様化したもので、新鮮な若々しさが特徴どす。
新春をはじめ、慶事にとても相応しい文様として古来より愛好されています。
今年もみなさまにご幸多ありますよう、お祈り申し上げます。
Posted by しげ森
at 21:03
2012年11月11日
十一月の舞妓衣装(ふく苗)



日毎に寒気加わる時節となりましたが、みなさまお元気でしょうか。
ふく苗さんの十一月の舞妓衣装はやわらかい黄色と鮮やかな鶸(ひわ)色が印象的なすっきりとした装いどす。
秋の山を思わせる色づいた紅葉のかんざしに流水ぼかしが入った中に様々な花が散らされた一つ綿の着物、花菱つなぎに唐花蜀江文様の織帯が可愛らしさの中に凛とした雰囲気をかもしだします。
紅葉は樹木が落葉の前に葉の色が変わることをいいますが、日本人は平安時代から紅葉を鑑賞する風習があったそうどす。
京都にもたくさんの名所があり、この宮川町があります東山も清水寺や南禅寺、東福寺などが有名どす。
ぼかしとは着物の染めの手法の一つで、平安時代に生まれた古典的な染め方どす。
絵模様のようにはっきりとせず、やさしくやわらかな印象を持つぼかしは着物に華やかさをもたらしてくれます。
ぼかし方にも様々あり、柄のある着物の裾だけをぼかした「裾ぼかし」、縦方向の「縦ぼかし」、図柄の周りを薄くする「まきぼかし」など多用に表現されます。
唐花蜀江文は八角形と四角形を交互に組んで上下左右に繋げて展開させた蜀江文様の中に唐花を配したもので、中国三国時代の蜀で作られていた蜀江錦という絹織物からその名がつきました。
たくさんの花ばなが散らされた優しげな着物に豪華な鶸色の帯がふく苗さんの楚々とした雰囲気をひきたてていますね。
寒さが日一日と増して参ります、お風邪など召されませぬよう御身おいといくださいませ。
Posted by しげ森
at 12:00
2012年10月14日
十月の舞妓衣装(ふく苗)



秋晴れの心地よい季節となりました。
ふく苗さんの十月の舞妓衣装は爽やかなブルーが印象的な若々しい装いどす。
小さな菊が散りばめられたかんざしに流水文の中に様々な花が配された袷の着物、片輪車文の染帯が若さあふれる舞妓さんの華やかさを演出しています。
今月は衣替えどすので小物類もすべて冬物に変わりました。
菊は東洋で最も古くからある観賞植物とされ、日本には平安時代に中国から伝わったと言われています。
中国では不老不死の薬効があるとされ、陰暦の九月九日を重陽の節句として菊酒を飲んで長寿の祈願をしました。
これが日本にも伝わり菊の花をお酒に浮かべ て飲み、花を観賞する「重陽の宴」が催されるようになったそうどす。
流水文は古くからある文様の一つで様々なバリエーションで展開されています。
大胆に描かれた流水文の間に鉄線や紅葉、撫子が配されて清々しい着物になっていますね。
片輪車文は御所車の車輪が乾燥しないように流水の中に浸した情景を文様化したものどす。
リズミカルな水の動きと車輪の形の面白さから様々な組み合わせがあり、車輪だけを取り出して源氏車ともなりました。
朝夕冷えてまいりましたので体調をくずされないようにお気をつけくださいませ。
Posted by しげ森
at 14:27
2012年09月07日
九月の舞妓衣装(ふく苗)



いまだ暑さが残る今日この頃、みなさまお元気でお過ごしでしょうか。
ふく苗さんの九月の舞妓衣装はカラフルな色あわせが特徴的なおきゃんな印象の装いどす。
小さな桔梗がちりばめられたかわいらしいかんざしに、露芝文に蝶が舞い飛ぶ単の着物、菊菱文の呂の染帯が少女の可憐さをひきたてています。
桔梗は秋の七草の一つで均整のとれた五角形の花が美しく、昔から文様や家紋によく用いられてきました。
しげ森の家紋も八重桔梗どすが、舞妓さんの帯の下には必ず屋形(所属している家)の家紋が入っています。
露芝文は露にうっすらと濡れた芝を取り合わせた文様どすが、その儚げな印象から秋の文様としてよく使われます。
蝶文は姿形の優美さからよく好まれる文様で、中でもやはりその立派な姿から揚羽蝶が描かれることが多おす。
パステルカラーで配色された露芝に美しい揚羽蝶が群れ飛ぶことで、華やかで愛らしい着物となっていますね。
花菱文様は貴族が最も好んだ有職文様と言われ、その中でも菊菱文様は菊の花を菱形に構成したシンプルでありながらも洗練された文様どす。
花を葉で囲んだり、葉だけで菱形を表現したりと大胆にアレンジされていてかわいらしい帯になっており、ふく苗さんによう似合うたはりますね。
夏バテはこの時分に出やすいとのこと、くれぐれもお身体おいといくださいませ。
Posted by しげ森
at 19:10
2012年08月17日
八月の舞妓衣装(ふく苗)



立秋も過ぎ暦の上では秋を迎えましたがまだまだ暑さも厳しく、みなさまお変わりございませんか。
ふく苗さんの八月の舞妓衣裳は朝焼けの中に青葉がそよいでいるような、夏の早朝を思わせる爽やかな装いどす。
薄(すすき)のかんざしに露芝文の呂の着物、花丸文が散りばめられた源氏車の夏の織帯が目に涼やかさを与えてくれています。
薄は秋の七草の一つでお月見にはかかせないものどす。
中秋の名月には収穫物と一緒に供えられますが、収穫物を悪霊から守り翌年の豊作を祈願する意味があるそうどす。
あまり華やかではない薄ですが一つ一つの穂が銀細工で丁寧に表現されており、舞妓さんの頭をキラキラと彩っていてかわいらしおすね。
露芝文は早朝の芝草に露が宿り太陽の光とともに消えていくその儚さを写しとどめた文様で、夏の着物や帯によく用いられます。
鎌倉時代から絵皿や工芸品によく描かれるようになり、しだいに能装束や着物に取り入れられていきました。
源氏車は御所車の車輪のみを取り上げて意匠化したもので、どこまでも回転する車輪が縁起の良いものとして人気が高おす。
『源氏』とつくのは源氏物語風のという意味で、源氏物語の中に描かれている葵上と六條御息所の車争いのお話は有名どすね。
植物文と組み合わされることが多く、華やかで優美な王朝の雅さが表現されています。
夏の疲れが出てくる頃です、ご自愛くださいませ。
Posted by しげ森
at 20:54
2012年07月22日
七月の舞妓衣装(ふく苗)



夏木立の緑濃く、木漏れ日も輝く季節となりました。
ふく苗さんの七月の舞妓衣裳は優しげな黄色に黒い帯が印象的な少しすっきりとした装いどす。
勝山の豪華なかんざしに流水に扇子と色とりどりの花々が流された呂の着物、蓼(たで)の葉をカラフルに配した夏の織帯が可憐な上品さをかもしだしています。
勝山は祇園祭の10日の御輿洗いから24日のあと祭りの期間だけ結うことのできる特別な髷どすが、ふく苗さんは出たての舞妓さん(お見世だし=デビューして一年未満の舞妓さん)なのでまだ結うことはできません。
ですので普段の「われしのぶ」の髷に勝山のかんざしをつけさせてもうてます。
ふく苗さんは小ふくさんの髷を見て、早く自分も結えるようになりたいと憧れたはるそうどす。


いろいろな植物を配してそれを流水でつなぐ意匠は江戸時代から見られます。
なでしこやききょう、菊や青もみじなど華やかに流れていく花々にからめとられたようにたたまれた扇子が配されていることで、動きのある大胆な意匠になっていますね。
蓼(たで)は茎や葉に苦味がある夏の植物どす。
『蓼食う虫も好きずき』という言葉が有名どすね。
蓼の葉をすりつぶして酢でのばしたものを蓼酢(たでず)と呼び、今が旬のアユを塩焼きにしたものに添えられます。
その蓼の葉が大きくカラフルに描かれていることがおもしろく、舞妓さんの幼さが強調されて可愛らしおすね。
暑くなったり涼しくなったり、不安定なお天気が続いておりますがみなさま夏風邪などひかれませんようにお気を付けくださいませ。
Posted by しげ森
at 00:47
2012年06月20日
六月の舞妓衣装(ふく苗)


梅雨空の合間に見る青空はとても気持ちが良いものどすね。
ふく苗さんの六月の舞妓衣装は明るい黄色とオレンジ色が心弾ませる、おぼこい印象の装いどす。
柳のかんざしに白抜きの柳の上にたくさんの蹴鞠が描かれた単の着物、菊の花と葉で形どられた花菱文様の呂の染帯が若い舞妓さんのかわいらしさをひきだしています。
今月は衣替えどすので小物類もすべて夏物に変わりました。
柳は細くなよやかな姿が好まれ、万葉集などの詩歌や絵画の題材としてよく用いられてきました。
『柳腰』という細くしなやかな腰つきの美人を表す言葉は有名どすね。
蹴鞠は平安貴族のたしなみとされ、宮中や公家において盛んにまり会が催されて古文書にもその記述がしばしば見られます。
そのため王朝の優美を表す文様として好まれ、まり庭と呼ばれる専用の庭の四方隅に柳、桜、松、楓の樹を植えて蹴鞠を行うことから、それらの樹木が共に描かれることが多おす。
京都の上京区にある白峰神宮の境内社には蹴鞠の神様である精大明神が祀られており、球技、スポーツ、芸能上達の神様として今でもサッカーを始めとする有名スポーツ選手が参詣しはるそうどす。
花菱文様は貴族が最も好んだ有職文様と言われ、その中でも菊菱文様は菊の花を菱形に構成したシンプルながらも洗練された文様どす。
花と葉を組み合わせて大きく描くことにより、大胆で可憐な印象のだらりの帯になっていますね。
梅雨明けが待ち遠しい今日この頃ですがどうぞ健やかにお過ごしくださいませ。
Posted by しげ森
at 21:59
2012年05月16日
五月の舞妓衣装(ふく苗)


風薫る五月となりました、皆様いかがお過ごしでしょうか。
ふく苗さんの五月の舞妓衣裳は初夏を感じさせる爽やかな装いどす。
かわいらしい藤のかんざしに、たくさんの蝶々が舞い飛ぶ鶸色の着物、笹紋と花菱亀甲をあしらった緋色の染帯が舞妓さんの若々しい印象を醸し出しています。
白や薄紫色の花が房になって咲く藤は初夏を知らせる花で、古くは万葉集の時代から親しまれてきました。
ふく苗さんが差しているかんざしはふく紘さんが舞妓さんの時に使っていたかんざしを譲り受けたものどす。
お衣裳だけでなくかんざしなども下の舞妓さんたちに大事に受け継がれていきます。
蝶文は何度かご紹介させていただいている通り、卵から幼虫、さなぎ、成虫へと変化するその姿が再生と不死不滅の象徴として昔から好まれている紋様どす。
笹紋、亀甲紋はともに長寿の象徴の吉祥文として多く用いられてきました。
明るい鶸色の着物にきりりと締まる緋色の帯がふく苗さんの元気なイメージにぴったりどすね。
季節の変わり目、不安定なお天気が続いていますが皆様お体には十分お気をつけください。
Posted by しげ森
at 18:44
2012年04月23日
四月の舞妓衣装(ふく苗)



春の気配が整ってきたこの頃、皆様お元気でしょうか。
ふく苗さんの四月の舞始衣装は初々しくおぼこい印象の装いどす。
三つ檜扇散らし文の着物・片輪車文の帯・桜の花かんざしが季節感と少女らしさを引き立てています。
三つ檜扇散らし文は3本の扇の要を中心に広げたものを一面に配した意匠で、末広がりの吉祥文どす。
王朝趣味の文様として今なお根強い人気があります。
片輪車文は、乾燥を防ぐために流水の中に浸しておかれた御所車が意匠化された文様で、写真のように流水文などと組み合わされることが多おす。
車はどこまでも回転することから片輪車文も吉祥文として用いられています。
ふく苗さんの着物の文様も帯の文様も共に丸形を題材にした吉祥文どすが、丸形の吉祥文にもいろいろあって楽しおすね。
季節の変わり目ですので、皆様風邪などお召しになられませんよう御自愛下さい。
Posted by しげ森
at 12:33
2012年03月15日
三月の舞妓衣装(ふく苗)



春暖の候、皆様お元気でおすごしでしょうか。
ふく苗さんの三月の舞妓衣装は、暖色を主張したおぼこい印象の装いどす。
花丸文に小花が散らされた着物、卍繋ぎ文の帯、菜の花の花かんざしが、若い舞妓さんの可憐さを引き立たせています。
花丸文はいろいろな種類の草花を丸く配した丸文の一種どす。
能衣装から現代の着物まで、昔から良く用いられてきた古典的趣を感じさせる文様どす。
卍繋ぎ文は梵語の「卍」を崩して連続文様にしたもので「卍崩し」「雷文繋ぎ」「菱万字」などとも呼ばれています。
江戸時代に中国から輸入された紗綾織の地文様として使われたので「紗綾形(さやがた)」ともいい、関西では「綸子形」ともいいます。
菜の花は皆様よくご存知の植物どすが、大きな花かんざしと衣装の色の取り合わせで初々しさが強調されていますね。
四月には「京おどり」がはじまります。
「京おどり」のチケットはしげ森でも扱っています。
ふく苗さんはじめ、しげ森の芸妓・舞妓も出演させてもうてますので、皆様どうぞ見にきて下さいますようよろしくおたの申します。
※「京おどり」のチケットについて詳しくはこちら
Posted by しげ森
at 02:18