2012年09月15日
九月の芸妓衣装(ふく紘)
空もようやく秋色をおびてまいりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
九月のふく紘さんの芸妓衣装は藤色の中に流れる楓が描かれたやわらかな印象の装いどす。
流水文に楓が流れる単衣の着物に、扇面文が大きく描かれた呂の染帯が落ち着いた中に優しげな趣を感じさせます。
楓は蛙の手のように切れ込みが入った独特の形をしていることから「かえる手」が変じて「かえで」と呼ばれるようになったと言われています。
流水と組み合わされることも多く、秋を代表する植物どすね。
扇面文はよく使われる文様どすが、同じ形の扇を一面に散らした「扇散らし」、開いたもの閉じたもの様々を散らした「扇尽くし」、流水と組み合わせた「扇流し」など様々な形があります。
この帯は開いた扇を散らしてそれぞれの地紙の意匠を見所としており、朱色の扇には表情豊かな波文が、白い扇には花菱七宝文様が華麗に描かれています。
季節の変わり目です、お風邪など召されませんようお気をつけくださいませ。
Posted by しげ森
at 18:59
│ふく紘