京都宮川町のお茶屋 しげ森・バー もり多と、しげ森の舞妓・芸妓のご紹介

お茶屋ブログ

2013年09月29日

九月の舞妓衣装(小よし)







涼風が気持ちのよい季節になりました。

小よしさんの九月の舞妓衣装はやわらかな黄色が印象的なかわいらしい装いどす。

桔梗のかんざしに蹴鞠がたくさん描かれた単衣の着物、御簾に飾り紐があしらわれた染帯がおぼこい舞妓さんの清楚さをかもしだしています。

桔梗は秋の七草の一つで古くはアリノヒフキと呼ばれました。

万葉集に歌を詠んだ山上憶良はアサガオを秋の野の花とするので、万葉集に5首詠まれるアサガオは桔梗のことであるといわれています。

蹴鞠は平安貴族のたしなみとされ、宮中や公家において盛んにまり会が催されて古文書にもその記述がしばしば見られます。

そのため王朝の優美を表す文様として好まれ、まり庭と呼ばれる専用の庭の四方隅に柳、桜、松、楓の樹を植えて蹴鞠を行うことから、それらの樹木が共に描かれることが多おす。

京都の上京区にある白峰神宮の境内社には蹴鞠の神様である精大明神が祀られており、球技、スポーツ、芸能上達の神様として今でもサッカーを始めとする有名スポーツ選手が参詣しはるそうどす。

御簾は平安貴族の広大な邸宅内を区切って活用するための間仕切り幕の一つで、室内の装飾を兼ねた調度品のことどす。

細い竹のひごを編んで透けて見えるように作られており、王朝の雅さへの憧れから江戸時代に文様化され吉祥文として好まれました。

朝晩はずいぶんと冷え込むようになりました、ご自愛くださいませ。  


Posted by しげ森  at 12:00
2013年09月28日

九月の舞妓衣装(ふく兆)







風の中に秋を感じるようになってきました。

ふく兆さんの九月の舞妓衣装は可憐で華やかな舞妓さんらしい装いどす。

桔梗のかんざしに片輪車文に秋草文様があしらわれた単衣の着物、大きな片輪車文が鮮やかに描かれた絽の染帯が少女らしさを引き立てています。

桔梗は秋の七草の一つで、古来から歌に詠まれ文様として愛好されてきました。

桔梗紫と呼ばれるほどその色が美しいため夏の訪問着や小紋、帯などによく用いられ、家紋としても使われています。

秋の七草といえば萩、薄、撫子、女郎花、桔梗、藤袴、葛のことどすが、これは万葉集にある山上憶良の詠んだ「萩の花、尾花葛花なでしこの花、女郎花、また藤袴あさがおの花」という歌がもとになっているといわれています。

尾花とは薄のこと、あさがおとは桔梗のことどす。

小ぶりな花が多いため一つ一つの草花よりも数種類組み合わせて表されることが多く、涼しい秋を待ちわびて夏や単衣の着物に用いられる文様どす。

片輪文は御所車の車輪が乾燥して割れないように流水に浸した情景を文様化したもので、車輪だけでなく草花を添えて描かれることも多おす。

リズミカルな水の動きと面白い車輪の形が様々に意匠化されてきました。

ひわ色に大きく描かれた片輪車があでやかで目をひく帯となっていますね。

皆様の秋が実り多きものとなりますよう、お祈り申し上げます。  


Posted by しげ森  at 18:00
2013年09月27日

中秋の名月



ふく兆さんと小よしさんが高台寺の土井さんに宴会によせてもらった時に撮った一枚どす。

九月十九日は中秋の名月どしたがみなさまお月見はされましたか?

見事な満月どしたね。

舞妓さんたちは夜空に大きく輝くお月様を見上げながら本当にウサギの餅つきに見えるとはしゃいだはりました。

暦の関係で中秋の名月がかならずしも満月になるわけではなく、次に中秋の名月に満月が見られるのは2021年だそうどす。

次回は8年後、東京オリンピックより後になります。

8年後には今いる舞妓さんたちもこれからデビューする小はるさんもみな舞妓さんを卒業したはるでしょう。

芸妓さんとして気張ったはるかもしれませんし、もしかしたら新しい世界へ飛びこんだはるかもしれません。

そのときにみなはどこで誰とその満月を見上げているんでしょうか。

そう思うとなんだか不思議な心持ちがいたしますね。

朝晩はずいぶんと冷え込むようになりました、ご自愛くださいませ。  


Posted by しげ森  at 12:00芸舞妓歳事記
2013年09月19日

「見習いさん」になりました。(小はる)




平成二十五年九月十四日(土)しげ森の仕込みさんであるあかりさんがお昼に行われたお盃の儀を終えて見習いさんになりました。

見習いさんとは文字通り舞妓さんの見習いさんになることで、舞妓さんとして正式にデビューするまでの間実際にお座敷に上がってお姉さんの舞妓さんや芸妓さんに教えてもらいながらお作法を学んでいきます。

舞妓さんになるためにはお姉さんとなる芸妓さんからお名前をもらいます。

あかりさんはお姉さんとなる小ふくさんからお名前をもらって小はるさんとなりました。





見習いさんは最初の一週間「半ダラ」という見習いさん独特の格好をします。

半ダラとは帯が舞妓さんのダラリの帯の半分しかなく、裾も引きずりません。

一週間ほど半ダラの格好をした後は、舞妓さんと同じダラリの帯に裾引きの着物に変わります。

髪型は舞妓さんが一番最初にする「割れしのぶ」どす。

みなさまこれから小はるさんを暖かく見守っていただけますよう、よろしくおたのもうします。


  


Posted by しげ森  at 12:00
2013年09月13日

九月の芸妓衣装(ふく紘)









一雨ごとに秋の深まりを実感いたします。

ふく紘さんの九月の芸妓衣装はすっきりとした秋の風情漂う装いどす。

葦が涼やかに描かれた単衣の着物に流水と籠目文が意匠化された絽の染帯が若い芸妓さんの颯爽とした雰囲気を醸し出しています。

葦はアシ、もしくはヨシと呼ばれるイネ科の植物どす。

文様としては平安時代に女性の間で好まれました。

日本の古名を「葦原の中つ国」ともいうように昔から親しまれて来たそうどす。

籠目文は最も単純に編まれた竹籠の編目から生じた文様で、単独でも用いられますが水辺の風物と供に意匠化されることが多おす。

籠目の目一つを紋章化した形には魔除けの力があるとされ、地文としてもよく取り入れられています。

流水の柔らかな曲線と籠目文の直線がうまく合わさった粋な帯どすね。

虫の音に近づく秋を感じつつ、みなさまのご健康をお祈りいたします。

  


Posted by しげ森  at 12:00ふく紘
2013年09月11日

九月の舞妓衣装(ふく苗)









朝夕はめっきり涼しくなりましたが、みなさまお元気でお過ごしでしょうか。

ふく苗さんの九月の舞妓衣装はかわいらしさの中に少女の色香が漂う華やかな印象の装いどす。

桔梗のかんざしに露芝に蝶が舞い飛ぶ単衣の着物、、柳に傘文様の絽の染帯が舞妓さんの可憐さをひきたてています。

桔梗は古くは万葉集に詠まれる花で秋の七草の一つどす。

開花前に花びらが互いのふちでくっついたまま膨れていくため、蕾が風船のように丸くふくらむのが特徴どす。

花言葉は「清楚、気品」。

舞妓さんにぴったりの花言葉どすね。

露芝文は芝草に露が降りた状態を文様化したもので、夏の着物や帯に多く用いられます。

露や芝がカラフルに配色されていてその上を舞う蝶々もさらに華やかに描かれており、愛らしい着物になっていますね。

傘は奈良時代から使われる私たちの生活に密着したものどす。

雨や日差しから身を守る他にも、面を隠す意味もありました。

文様としてはその形の面白さから江戸時代に取り入れられるようになり、帯や着物に数多くデザインされました。

夏の疲れが出てくる頃どす、ご無理などなさいませぬようおたの申します。

  


Posted by しげ森  at 12:00
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プロフィール
しげ森
しげ森
京都市東山区西御門町469-1
お茶屋しげ森、宮川町にあるお茶屋どす。
何気ない日常や、毎月のお衣装を発信していけたらと思っております。

舞妓さんになりたい方、ご連絡お待ちしております。

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