2013年07月31日
七月の舞妓衣装(ふく兆)
涼しげな風鈴の音が聞こえる季節となりました。
ふく兆さんの七月の舞妓衣装は黄色と黒の対比が印象的な少しすっきりとした装いどす。
涼しげなうちわのかんざしに流水にさまざまな草花と扇子が描かれた呂の着物、蓼(たで)の葉をカラフルにあしらった夏の織帯がおぼこい舞妓さんの華やかさをひき立てています。
先日ご紹介させていただいたように祇園祭の10日の御輿洗いから24日のあと祭りの期間は勝山のかんざしをさせてもうてますが、それ以外の七月中はうちわのかんざしどす。
うちわは奈良時代に中国から伝わり、平安時代には貴族だけでなく庶民の間でも使われる、生活に根ざしたものとなりました。
その形のおもしろさと涼やかなイメージから文様として夏の着物や浴衣に使われることが多おす。
さまざまな植物を配してそれを流水でつなぐ意匠は江戸時代から見られます。
ききょうや菊、もみじなど秋の草花を夏の衣装に描くのは季節を一足はやく取り入れることで涼を感じるためどす。
草花にからめとられたようにたたまれた扇子がより涼やかさを与えてくれるようどすね。
蓼(たで)は茎や葉に苦味がある夏の植物どす。
『蓼食う虫も好きずき』という言葉が有名どすね。
蓼の葉をすりつぶして酢でのばしたものを蓼酢(たでず)と呼び、今が旬のアユを塩焼きにしたものに添えられます。
その蓼の葉が大きくカラフルに描かれていることがおもしろく、舞妓さんの幼さが強調されて可愛らしおすね。
暑さ厳しき折柄、くれぐれもご自愛くださいませ。
Posted by しげ森
at 10:00