2012年08月10日
八月の舞妓衣装(小ふく)
オリンピックの熱戦につい見いってしまい、寝不足が続く毎日ですがみなさまお元気でお過ごしでしょうか。
小ふくさんの八月の舞妓衣装は鮮やかな紫に大きな百合が大胆に咲き誇る艶めいた装いどす。
大きな一輪の朝顔のかんざしに華やかな百合があしらわれた呂の着物、松竹梅の夏の織帯が少女から大人の女性へと変化を遂げていく舞妓さんのそこはかとない色気をかもしだしています。
朝顔は早朝に赤、白、桃、紫など色とりどりの花を咲かす真夏の花どす。
奈良から平安時代にかけて中国より薬草として伝来し、今のように観賞用として栽培されるようになったのは江戸時代になってからだそうどす。
小学生の夏休みの観察教材として使われることも多く、育てたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
百合は古事記に記されているほど古くから日本人になじみ深い花どすが、何故かあまり文様としては使われてきませんでした。
洋花が流行した明治末以降になってやっと見られるようになりましたが、意匠化はされずに写実的に描かれることが多いのが特徴どす。
大きく華やかな百合が西洋的に感じられ、新しい時代に向かう女性に好まれたのかもしれませんね。
松、竹、梅それぞれの文様は平安時代から見られますが、この三つの文様を組み合わせるようになったのは室町時代になってからだそうどす。
慶事の場などでよく使われる代表的な吉祥文で、衣装だけでなく陶磁器や家具など様々に意匠化されています。
伸びやかに生える竹に若松文と変わり梅文が散らされた豪華な帯が小ふくさんの凜とした姿によく合うたはりますね。
暑さ厳しくしのぎがたい毎日が続いておりますがみなさまどうぞお体ご自愛くださいませ。